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zoom RSS 津川しょうごNews2009年4月20日号

<<   作成日時 : 2009/04/21 23:33   >>

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緊急景気対策の先にあるもの
〜強引な消費拡大は社会を幸福にしない〜


 深刻な不況の只中になって、政府は、次々と景気対策を打ち出しています。中には効果の疑わしいものも少なくありませんが、国民が不況で苦しんでいる中、なんとか景気を回復しようとする姿勢は評価できます。昨年の世界同時不況が発生して以来、比較的影響が少ないと予想されていたはずの日本経済が、逆に欧州などよりも深刻な経済不況に陥ったのは、政府による対策の差が原因だともいわれました。日本政府による景気対策があまりに遅いうえに規模も小さく、おまけに様々な条件が付いていて現場で使いにくいなど、政府の本気度さえ疑う声もあった程ですから、遅まきながらも景気対策を進めることは絶対に必要なことです。

緊急対策と共に根本的対策が不可欠
 現在、蓄えを取り崩してなんとか耐えしのいでいる中小零細企業やご家庭が多くあり、とにかく一息つくための緊急対策は絶対に必要です。しかし、一時しのぎはあくまでも一時しのぎに過ぎず、根本的な問題を解決しなければ、安定回復は期待できません。

 根本的な問題のひとつは、社会にモノが溢れ、モノがあまり売れなくなってきているということです。つまり、緊急対策で財政出動をしたり個人消費を刺激したりしても、その政策が終了すればまたモノが売れなくなることが予想され、しかも、将来の財政出動や個人消費を前倒しするような政策の場合は、その政策が終了したときの反動はかなり急激なものにもなりかねません。従って、異常に冷え込んだ個人消費を温める政策のほかに、モノが数多く売れなくてもお金が回る状態、つまり、「モノ」ではなく「ヒト」や「技術」にお金が回るように、社会をシフトさせていく政策が必要なのではないでしょうか。

社会の満腹中枢を麻痺させてはならない
 ここにきて、政府は追加経済対策の目玉として、新車への買い替えを促す補助金制度を提案してきました。13年以上走った車を廃車にして新車を買うと、税金で25万円補助してくれるというものです。欧州では過去にも何度か実施された景気対策ですが、特に今回はドイツで1月に対前年同月比14.2%減だった新車販売台数が、制度が実施された2月には+21.5%に反転。3月には同40%増という驚異的な買い替えブームが起こっています。

 日本でも同様の効果を期待しての提案だと思いますが、ドイツで起こっている現象も含め、私にはあまり得策だとは思えません。まず、今年度のみの補助金制度であるため、来年度の需要を先食いするだけ恐れがあります。また、多くの国内自動車メーカーにとっても深刻なのは国外販売であり、国内販売の補助金制度はあまり効果が期待できないとの見方もあります。そしてなりより私が問題と考えるのは、数を売らなければ利益が上がらないという構造を変えず、しかも環境に良いといいながらも、まだ使える車を廃車にすることを前提にした政策だからです。

 「エコカー減税」も今月から始まりましたが、これも再来年度までの時限的措置です。将来の需要を強引に持ってくる一時的な措置ではなく、自動車重量税の廃止や、暫定税率の廃止、本来無料であるはずの高速道路を無料化する方が、穏やかながらも確実な景気対策になるはずです。

 満腹中枢を麻痺させて消費を拡大しモノがあふれる社会にするのではなく、心が豊かな安心できる社会にするために、人材育成と技術開発にこの不況期から国を挙げて取り組むべきです。ものづくりを守っていくためにも、ヒトや技術に対して国が支援する仕組みづくりや、そのための社会的規制が必要であると私は考えます。

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