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zoom RSS 津川しょうごNews2011年5月20日号

<<   作成日時 : 2011/05/20 23:53   >>

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お茶の放射性物質に関する規制について
お茶振興議員連盟の会議に出席しました

 福島第一原発の事故により放射性物質が広範囲に放出・拡散した問題で、静岡県は県内産のお茶の放射性物質濃度について検査を行いました。検査が行われたのは検出の可能性が指摘された放射性ヨウ素と放射性セシウムについてで、検査の結果いずれの地域産のものも放射性ヨウ素は検出されず、放射性セシウムについても厚生労働省が定める暫定規制値及び準用値を大幅に下回り、健康への影響を心配するレベルではなく、問題ないことが確認されました。

 しかし、隣県である神奈川県の南足柄市などでは暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され、当該地域からのお茶の出荷が自粛されていることを踏まえ、これまでお茶振興議員連盟としては農林水産省に対し、「大至急現場の生産者及び自治体等に対し、具体的な対処方法を示すこと」「補償のあり方について大至急検討し、内閣官房に設置された原子力災害による経済被害対応室に検討を要請すること」及び「放射性セシウムが検出されるに至ったメカニズムの解明と二番茶や来年度を見据えた対処方針を策定すること」などを要請してきました。

 本日の会議では、農林水産省及び厚生労働省の担当者を呼び、その後の経過の報告を受けると共に、玄葉政調会長(大臣)や原子力災害対策本部などに対して、対応を加速させるよう要請することを決めました。

 そもそも、食品衛生法の規定ではお茶を個別の品目として規制の対象に指定しておらず、放射性セシウムに対する暫定規制値では「肉・卵・魚・その他」の項目の「その他」に含まれるとして、500Bq/kgを茶葉に適用し、飲用茶には「飲料水」の規制を準用して200Bq/kgとすることとしていました。

 重要なことは、実際に口に入るときに十分に問題ない範囲であることであり、お茶の場合でも飲料水と同等の安全性が求められることは妥当だと思われます。

 お茶の場合、お茶畑で刈り取られたばかりの生葉と、それを製茶へ加工して最終的に飲み物となった段階である飲用茶とで比較すると、仮に生葉で放射性セシウムが検出されても飲むお茶になった段階では10〜20分の1以下にまでセシウムの濃度は下がります。従って、飲料水の規制値から逆算すれば生葉の段階での規制は2000〜4000Bq/kgとなってもおかしくありません。しかもお茶は大抵の場合いくつかの茶葉がブレンドされますから、全く放射性セシウムが検出されていない地域の茶葉とブレンドすれば当然のことながら飲料茶ではリスクは更に減少します。しかし、茶葉はてんぷらにするなどの食べ方もない訳ではありませんし、お茶の入れ方によって飲用茶への抽出の割合が変化する可能性も考慮すれば、生葉で500Bq/kgという規制も、安全、さらには「安心」を考えたときには妥当な規制値ではないかと考えます。

 因みに、飲料水で200Bq/kgが放射性セシウムの規制値として定められている計算根拠は、「仮に1ℓの飲料水を一年間毎日飲み続けた場合でも、内部被爆量を1mSv以下にすること」を前提に逆算されたものです。「これ以上浴びると癌の発生率が上がり始める」という値は、100mSv/年ですから、これはその百分の一の値です。放射性物質1Bq/kgあたりの人体への影響度合い(Sv)は放射性物質の種類によって違いますから、同じ飲料水でも放射性ヨウ素の規制値は300Bq/kg、ウランなら20Bq/kgなどと定められています。

 なお先日、「生葉ではなく加工途中の荒茶で規制してほしい」という考えが厚生労働省から示されましたが、私は、荒茶の段階での規制には賛成しかねます。

 荒茶は加工される過程で乾燥させるため体積が約五分の一となる一方、セシウムは水に溶けにくく葉に残留するので、結果的にkgあたりの放射性セシウム濃度は五倍程度上昇します。しかしそれでもなお、さらに製茶しお湯で抽出して飲料茶にした時には、逆に当初の生葉の時の濃度の10〜20分の1程度にしかならないことが判っています。仮に荒茶1kgあたり500Bqという規制をかけるとすると、最終的な飲料茶になった時の数値は、計算上5〜10Bq/kg以下になるはずです。もちろん数値が低いことは悪いことではありませんが、飲料水より遥かに厳しい規制をお茶にかけるのは合理的規制とは思えません。

 今日の会議の際も厚生労働省の担当者にその考え方を改めて伝えましたが、今日(5月20日)現在、原子力災害対策本部等で最終調整中であり、近々、生葉で規制するか荒茶で規制するか決定される見通しです。決定され次第この場でも報告します。


<追記>
 農林水産省、厚生労働省、及び原子力安全委員会の、それぞれの見解を原子力災害対策本部で集約・検討した結果、やはり生葉同様、荒茶について500Bq/kgを規制値とすることとなりました。同じ茶葉でも濃度が大きく変わる生葉と荒茶が同じ規制値であることは、私には合理的とは思えませんが、安全性以上に安心を重視した結論ということだと思います。上に記したように、生葉で規制をかければ十分に安全性は確保できます。一番茶は既に荒茶から製茶になっていますから、静岡県では念のため製茶で検査をしていただき、二番茶以降は生葉、荒茶ともに検査をして頂くことになりました。茶農家の方がをはじめ、流通、小売、そして消費者、各方面の方々に大変ご迷惑をおかけしますが、市場に流通しているお茶は絶対に安全で、安心して飲んでいただくための対応ですので、ご協力をお願いいたします。(2011/06/04)

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