津川祥吾ウェブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 津川しょうごNews2012年09月05日号

<<   作成日時 : 2012/09/06 23:29   >>

トラックバック 0 / コメント 0

南海トラフ巨大地震被害想定
〜正しく恐れる〜


 先日、内閣府の中央防災会議が開催され、静岡県沖から四国・九州に至る広範囲で「南海トラフ巨大地震」が発生した場合の、各地の津波の浸水想定や被害想定がまとめられました。最悪のケースでは静岡県内だけでも10万人以上の方が犠牲になる可能性が指摘され、衝撃的なニュースとして新聞やテレビでも大きく報道されたところです。

 今回の会議では、昨年の東日本大震災の教訓を踏まえた検討が重ねられています。すなわち、「科学的に考えうる最悪のケースを想定する」ことと、「避難することを中心としたソフト対策を重視する」ことです。これまでの防災は、直近の災害に対する再度災害の防止や、今後20〜30年の間に実際に実行可能なハード面での整備を中心に考えられてきました。堤防などのハード整備が整ったところでは、想定内の災害に対してはそれらが有効に機能する一方、想定以上の災害が発生した時には、施設に対する過信により避難が遅れ、被害を増幅させかねない面がありました。そのため、まず最大規模の災害を想定したうえで、ハードとソフトを組み合わせた減災対策を施すことにより、「命」を守ることを主眼にした政策に転換しようとしたのが今回の試みです。

 今回の報告書の1ページ目にも書かれていますが、南海トラフ地震の発生頻度はとても低いものです。分かりにくいかもしれませんが、切迫性が高まっている東海地震とは異なるものなので、正確には区別して理解する必要があります。例えば、南海トラフ地震で発生する津波の最大の高さは、焼津市で6m、吉田町で8m、牧之原市で11mなどとなっていますが、東海地震ではこれより低い津波が想定されます。また、今回の想定は震源が最も陸地寄りで津波の第一波が最も早く到達するケースを想定したものであり、実際にはもう少し後に最大の津波が来る可能性も十分にあります。従って「どうせ逃げ切れない」といって避難をあきらめることは絶対に避けて頂きたいと思います。

 今後、より詳細な被害想定とそれに対する具体的対策が、県によって示される予定となっています。いずれにせよ、人的被害を最小限に食い止めるためには、それぞれが「大きな揺れが来た時には逃げる」ことを徹底するしかありません。今回のような被害想定を公表すると、部分的な情報だけが切り取られて報道されたり、衝撃的な数字だけが独り歩きして、混乱が発生する危険性もありました。しかし、多くの方が自らの命を守るために危険性を正しく把握して「正しく恐れること」が大切と考え、全ての情報を公開しています。お時間がありましたら、内閣府のホームページで詳細をご覧いただき、それぞれの数字の前提や意味をご確認いただきますようお願いいたします。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

津川しょうごNews2012年09月05日号 津川祥吾ウェブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる