津川しょうごNews2012年8月5日号

御前崎港で新クレーン稼働
~荷捌き能力と防災能力が向上~


 8月5日、かねてより整備を進めていた御前崎港の新しいガントリークレーンが完成し稼働を始めました。このクレーンは、現在世界の物流で主流となっている大型コンテナを短時間で積み降ろしする能力があり、物流基地としての御前崎港の競争力を高めるものと期待されています。

 「物流を制する者は世界を制す」と言われながら、日本はこれまで物流拠点の世界標準化に取り組まず、能力の劣る港湾を全国に散りばめて整備してしまい、結果として韓国や中国に物流拠点を奪われてきました。ものづくり大国でありながら物流競争に負け続けることはリスクが大きいため、政権交代を契機にそれまでの政策を転換し、全国に100以上あった「重要港湾」のうち40程度の港湾を選択し、重点的に整備することとしました。御前崎港は、現時点では貨物取扱量はそれほど多くありませんが、背後に静岡県中西部・西部のものづくりの一大集積地があり、東名、第二東名、国道一号バイパスなどの交通ネットワークとの連結させることで、今後相当の「伸びしろ」があると判断し、重点的に整備する港湾の一つに指定しました。

 また、港湾は津波や暴風などの災害に遭いやすい一方、大規模な災害が発生した時でも一刻も早く復旧することで、後背地の災害復旧及び復興にも大きな力を発揮します。今回新しく導入したガントリークレーンは、そういった防災の観点からも従来のクレーンより能力が向上しており、御前崎港のみならず、地域にとっての防災力向上にも期待されています。

 今後は能力が向上した御前崎港が十分に活用されるよう、国としても港湾管理者である県と利用者である民間事業者ともしっかりと連携し、地域経済の発展につながるよう努力してまいります。

金谷御前崎連絡道路大沢IC立体化
~物流の円滑化と環境改善へ一歩~

 同じく8月5日、金谷御前崎連絡道路の大沢インターチェンジ立体交差完成式典が行われ、私も国土交通大臣政務官として出席してきました。静岡県の事業としてスタートしたものの、財政制約もあり少しずつ整備が進められてきたため、既におおよそ四半世紀が経ってしまっています。もちろん税金で行う公共事業ですから、必ずしも交通量が多くない区間の整備が後回しになるのは、ある程度は止むをえません。

 しかし、結果として折角整備した港や空港が十分に活用されず、東名高速、国道一号バイパス、第二東名といった大動脈との連結が不十分になってしまっていたのも事実です。これは、道路や鉄道・港湾・空港などの整備がばらばらに行われてきたことと無関係ではありません。

 金谷御前崎連絡道路に関しては、整備が中途半端な状態が長かったため、折角整備が済んだ区間でも十分な効果が出にくい状態が続いていました。そこで政権交代後、道路と港などのモード間の連結や、継ぎ接ぎで整備されてしまっている区間などを、集中的・一体的に整備することで早くその整備効果がでるよう、整備方針を転換。この金谷御前崎連絡道路についても、御前崎港の重点化とともに、先送りされていた立体交差部分の解消と未事業化区間だった国道一号バイパスまでの区間の事業化を決定したところです。

 この道路は地震などの災害にも強い道路ですので、災害発生時には避難路や復旧支援道路として大いに活用できるものと考えています。また、立体交差化により物流を円滑化するとともに、交差点での信号待ちが無くなることでの省エネ・環境改善の効果も期待できます。今後、この道路が地域に愛される道路として安全・快適に使われることを願っています。

全国生徒会サミット2012開催
~中学生も復興街づくりに参画へ~

 先月、岩手県の生徒会サミットが開催され、私も出席してきましたが、今月は全国各地の中学校生徒会による「全国生徒会サミット」(主催:夢現エデュテイメント、後援:復興庁など)が岩手県釜石市で開催され、そちらにも出席してきました。8月1日から四日間の日程で開催されたサミットでは、全国から集まった中学校の生徒会の皆さんに、まず被災現場に足を運んでもらい、被災個所を見たり、震災当日の話を被災者の方々から聞いてもらうなど、被災地の現状を肌で感じてもらいました。テレビの報道などでは分からない被災地の本当の姿を見て、彼らなりに感じたものも多かったようです。

 その後、グループに分かれて「復興やまちづくりに自分たちは何が出来るか」を議論し、アクションプランをまとめ発表してもらいました。発表の内容もさることながら、プレゼンテーションの技術も含め、若い彼らの可能性を大いに感じさせられる素晴らしい発表でした。自分の中学の頃を思い出すと恥ずかしい気もしましたが…。

 最後に私から講評をさせてもらいましたが、その中で、彼らから提案のあった「自分たちで防災マップづくりや避難訓練をする」というものについて、復興庁としても参考にさせてもらうことを約束しました。これまでも、子どもたちの意見を取り入れて避難路を整備するなどの例はありましたが、より多くの自治体において、子どもたちの視点で避難計画などをチェックし見直すことは、非常に有効であると考えていたところです。新しい避難路の整備などは復興予算で出来ますので、その計画づくりには是非彼らにも参加してもらうべきだと考えています。今後、各被災自治体の担当者と相談させていただき、実現に向けて努力してまいります。

津川しょうごNews2012年7月20日号

「生徒会サミット」開催
~復興に向けて中学生の意見も反映~

 7月7日、岩手県大槌町において「岩手県生徒会サミット」(主催:一般財団法人夢現エデュテイメント)が開催され、私も参加してきました。元々、文部科学省が支援をしている事業でしたが、今回は復興庁岩手復興局も後援し、彼らの「熟議」を見てきました。

 以前、別の団体が主催する「こどもまちづくりクラブ」のメンバーから、「復興について、自分たちも意見を言いたい。何かしたい。」との意見があり、平野復興大臣から子どもたちの意見を聴く機会を設けるよう指示されていました。今回の生徒会サミットは中学生が「今」地域やまちづくりに何が出来るかを議論する場でしたが、昨年の震災を受け、「祭を通じた仮設住宅の住民との交流」や「あいさつ運動」など、地域を元気にするために何かをしたい、との意見が多数出ました。

 私たち大人としては、彼らが今やろうとしていることを後押ししてあげるとともに、今後の息の長い復興まちづくりにも参加してもらい、いずれは地域づくりを担う主役となってくれることを期待しています。あと5、6年で成人する彼らにとって、ただでさえ不安が多い時期だと思いますが、私達と一緒に復興を考えてもらうことで、彼らに夢や希望を持ってもらうことが出来ればと考えています。

経済同友会夏季セミナーでスピーチ
~産業復興へ支援を要請~

 7月12日、盛岡市で経済同友会の夏季セミナーが開催され、復興庁を代表して冒頭のスピーチをさせて頂きました。私からは東日本大震災の被災規模を改めて説明するとともに、阪神・淡路大震災や中越地震との違いをデータで示し、復旧についてはかなり進んでいるものの、復興についてはある程度時間がかかることが不可避であり、経済界としても息の長い支援を頂くよう要請しました。参加者の方々からは、被災地の復興が日本経済全体を押し上げることの意見があり、企業誘致の重要性を指摘する意見が多数ありました。

 また、民間から復興事業のアイデアが出ても、行政がかかわると途端にペースが遅くなるとの指摘を頂きました。行政が持つ公平性の観点などから行政には不得手な分野があることを認めたうえで、民間等による「新しい公共」という考え方で政府としても様々な改革を進めていることを紹介。従来型ではない新しい官民連携によって、スピード感を持って復興事業を進められるよう、引き続き連携を強化していくことを確認させていただきました。

九州北部豪雨視察
~現場から現場へ~

 7月11日からの集中豪雨により、熊本県を中心に九州地方で甚大な被害が発生しました。まだ予断を許さない状況でしたが、降雨と応急対策が一息ついた17日、河川担当の国土交通大臣政務官として現地に飛び、被災状況を確認するとともに不眠不休の対応にあたっている現場職員の激励に行ってまいりました。自衛隊も現場に多数入ってくれていますが、土砂災害に関する知識があるわけではないので、二次災害防止などについて現場で連携を取りながら対策を進めています。

 国交省の現場職員もかつてよりは数が減っていますので、本省を中心に全国の地方整備局などが緊密に連携することが重要です。岩手から飛んで行きましたが、水害時には復興大臣政務官から国交大臣政務官に頭を切り替え、これからもこの夏の水害対策に万全を尽くしてまいります。

高速ツアーバス安全点検
~仙台駅前で安全点検を実施~

 4月に発生した高速ツアーバス事故を受け、国土交通省では政務二役が中心となり、様々な緊急対策を検討し、安全確保のための規制を順次強化しています。特に夏の多客期までに取れる対策の一つとして、夜間の高速ツアーバスにおける運転手の二人乗務体制の基準強化を決定し、これまで実施に向けた準備を進めてきました。

 新しい基準が適用される初日となった7月20日、特に高速ツアーバスの利用が多い仙台駅周辺にて、緊急の重点立ち入り点検を実施。私も21時頃から深夜にかけて参加しました。号車番号の掲示位置が不適切といった軽微な指摘事項はありましたが、その場で是正されるものが殆どで、取り敢えず安心しました。

 この10年ほどの間、様々な規制が緩和され、新しいサービスや競争が生まれたことは一定程度評価できるものと考えます。しかし当初から指摘されてきたとおり、利用者の目につきにくい「安全性」や「品質」といったものがないがしろにされるのではないかという点は重要です。また、今回の貸切バス事業のように参入規制が撤廃された業界などでは、規模の大小を問わず優良な事業者がいる一方で、法令違反を繰り返すような事業者を排除しにくくなってしまっているのも事実です。そこで、今省内に設置した規制を検討の場において、これまであまり手がつけられてこなかった安全を確保するための規制については、寧ろ強化する方向性を出しています。

 この安全規制を強化する議論の中で常に課題となるのが、実効性確保のあり方です。いくら規制を強化しても、違反を繰り返す業者がまかり通っていては、真面目に規制を順守する業者が価格競争で不利になるなどの問題が起こりかねません。そこで今回の規制強化では、安全対策を利用者にもわかるように明示することを義務とし、行政による指導・監督と効果的にリンクさせることを試行しています。

 安全に関する表示がなかったり、表示と実際の運行状況が違う場合など、乗客が携帯サイトなどを通して国交省に通報できるようにし、それらの情報をもとに不適切な事業者を重点的に監査することとしています。実際には、今は多くの事業者が特に安全確保に力を入れていると思われますが、皆様も高速ツアーバスを利用される時には、チェックをして頂ければと思います。宜しくお願いいたします。

津川しょうごNews2012年7月5日号

大井川港の地震・津波対策
~管理者の焼津市に国も直接支援~

 昨年の東日本大震災においては、各地で港湾施設にも大きな被害が出ました。被災した港湾の復旧とともに、その教訓を踏まえた全国の港湾の地震・津波対策強化が急務です。その中でもコンビナート港湾では、港湾施設は「港湾法」、コンビナート施設などは「消防法」「高圧ガス保安法」などと、所管する省庁や法律が違うため、これまでは別々に対策がとられてきました。しかし、港湾ごとに一体で対策をとることが不可欠と考え、国土交通省としては、国の各省庁のみならず、都道府県などの港湾管理者、および港湾を利用する民間事業者の方々にも入って頂いた会議を開催し、特にコンビナート港湾における地震・津波対策の検討を始めています。

 焼津市にある大井川港は、地域のエネルギー産業等を支える重要な役割を担っておりますが、南海トラフ巨大地震発生時の最大津波高が10.1mと推計されるなど、地震・津波対策が重要な課題です。静岡県内の他の港湾は県が管理していますが、大井川港は県内で唯一焼津市が管理しているため、この度、特に焼津市に対して国の対策の情報などを詳しく提供するなど、直接的な支援をすることとしました。今月中に、焼津市、静岡県、国、及び港湾利用者の方々にお集まり頂いて第一回の会議を開き意見交換等を始め、具体的な対策強化を急いでいきます。

 なお、この大井川港に関する会議については、私が大井川地区の自治会の皆さんと会談をさせて頂いた折に、港周辺の津波対策について心配とのご意見を頂いたことがきっかけになりました。これからも地域のみなさんの声を頂きながら政策に反映できるよう頑張ってまいりますので、ご意見等頂けますようよろしくお願いいたします。

世界防災閣僚会議開催
~一関分科会にてスピーチ~

 世界各国の防災担当閣僚級の国際会議である「世界防災閣僚会議」が、7月2日から二日間の日程で岩手・宮城・福島で開催されました。主要な議題となったのは、被害を最小限にする「減災」で、参加各国の閣僚により熱心な討議がなされました。私は、二日目に岩手県一関市で開催された分科会で冒頭スピーチ。各国からの参加者を歓迎するとともに、東日本大震災への各国の支援に感謝し、引き続き理解と支援を頂けるよう呼びかけました。また、改めて被災の概要と復興状況を説明し、防潮堤などの構造物に過度に依存しない事の重要性を指摘。さらに、この震災から得られつつある様々な教訓を世界の防災に生かすことが、犠牲になられた多くの方々の鎮魂にもつながると訴え、多くの賛同を頂きました。今後も、岩手や静岡などの国内のみならず、世界の防災力強化のために、世界各国と連携を強化してまいります。

「オートパイロットシステムに関する検討会」開催
~高速道路の自動運転実現へ向けて~

 高速道路における自動運転を実現するため、国土交通省内に「オートパイロットシステムに関する検討会」が設置され、第一回の会合が開催されました。高速道路等における自動運転については、以前から技術的には可能であるとの見通しが示されてきましたが、実用化には、車両の制御技術のみならず、道路の構造や法整備なども視野に入れたパッケージとしてのシステムの構築が必要であり、具体的な議論は進んでいませんでした。

 私はサラリーマン当時、業務で静岡―名古屋間の東名を一日三往復した時などに自動運転の必要性を強く意識し、その実現のための構想を自分なりに練ってきました。事故や渋滞を防止するだけでなく、新しい「交通文化」をも創り出すものと考え、一昨年から国交省内で勉強会を重ねてまいりました。今般、正式な検討会が設置され本格的な議論が始まったことは、システム実現に向けて大きく一歩踏み出したと言え、私としても何としても実現に向け努力をしてまいりたいと考えています。来年東京で開催される予定のITS世界会議において、オートパイロットシステムの国内での実用化の具体的時期を表明できるよう、議論を急いでまいります。

津川しょうごNews2012年6月27日号

社会保障と税の一体改革法案
~衆議院で採決 参議院へ~


 先日、衆議院本会議において社会保障・税一体改革関連8法案が審議、採決されました。消費税の増税や与野党からの造反が予想されたことなどから、マスコミでも大きく取り上げられましたが、肝心の法案の中身より政局についての報道が多かったように見受けられましたので、報道されなかったものも含め、8法案の中身を簡単に報告いたします。

 紙面の都合上ごく簡単な報告となりますが、法案の本文が衆議院のホームページで閲覧できますので、是非ご覧ください。トップページから「議案」の欄をクリックし、第180回国会の「衆法」と「閣法」の一覧の「議案件名」の中に下記の法案名があります。本文情報をクリックし、さらに「提出時法律案」などをクリックすると全ての条文を見ることが出来ます。法律を見慣れていない方には多少読みにくいところもあると思いますが、折角ですから一読されることをお勧めします。マスコミなどでの解説も参考にはなりますが、この条文以上でも以下でもありませんので、余計な脚色をせずにご覧いただけます。なお、今後参議院での議論が予定されておりますので、現時点(6/27現在)ではまだ成立はしておらず、更なる修正の可能性などもありますのでご承知置きください。(※衆法:衆議院議員提出法案 閣法:内閣提出法案)

 
《社会保障・税一体改革関連8法案》
公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案
(略称:年金機能強化法案)
 少子高齢化や景気変動などで社会が様々に変化しても、年金制度を将来にわたって持続可能なものにしようとするための法案です。現在、年金保険料を支払えない人が増加するなど年金の空洞化が深刻です。その穴を保険料の増額で埋めようとすれば、まじめに負担している人だけに過大な負担が掛かりかねませんし、景気が悪くなるたびに財政基盤が不安定になります。そこでこの法案では、基礎年金部分の国庫負担割合を1/2に引き上げることにより税で年金財政を強化し、安定的で持続可能な年金の実現を目指しています。

 与野党協議により、低所得者への給付の加算が限定的になったことは残念ですが、それでも基礎年金だけでは暮らしていけないという問題解決に向け、一歩でも前進できたことの意義は大きいと思います。またパートなど短時間労働者への適用拡大も、与野党協議により実施時期等が修正されてしまいましたが、これでも一歩前進であり、今後さらに議論を深めることとなっています。

被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
 現在、サラリーマンの方々が加入する被用者年金は、民間と公務員で制度が違い、その格差が問題となっていました。その官民格差を解消のため、共済年金制度を厚生年金に統合するのがこの法案です。

社会保障制度改革推進法案(衆法)
 民主、自民、公明の三党共同で提出された、「社会保障制度改革国民会議」なるものを設置する法案です。そもそも社会保障に関わる政策は与野党で対立するものではなく、国会議員のみによらない幅広い議論をしながら政策を組み立て、国民的議論を経ながら進めるべきものです。ですから、このような会議を設置し広く有識者にも議論に参加頂くことも有意義だと思います。ただ、今回積み残しになった論点を議論する場として設置されるという意味合いもあり、問題の先送りではないかと指摘されているのはこの点です。

子ども・子育て支援法案
 社会保障といえば、年金や介護などお年寄りのための制度と捉えられがちですが、本来は子どもからお年寄りまで、各年齢層全体に対して必要な支援をするものです。これまで限定的だった子どもと現役世代を応援する機能を強化し、世代間格差を解消しようとするのがこの法案で、今回の一体改革の最重要の柱の一つです。全ての子どもに良質な養育環境を保障するため、質の高い教育・保育の一体的な提供や待機児童の解消、家庭での養育支援の充実などを定めようとしたものです。

 与野党協議により詳細はさらに議論することとなりましたが、抜本税制改革により得られる安定財源を子育て支援策に充当することは合意できました。評価しにくいところではありますが、言葉だけではなく財政的にも子どもと子育てを社会全体で応援することが決まったことは意義があると思います。

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案(衆法)
 内閣提出の総合こども園法案を先送りするかわりに、衆法として提出された法案。当初は現行の認定子ども園を抜本的に見直して幼保一体化を促進する方針でしたが、与野党協議により抜本改革は更に議論を深めることとし、当面、現行制度を拡充することとなりました。幼稚園と保育園の機能を併せ持つ幼保連携型認定子ども園を、学校及び児童福祉施設として法的に位置づけ、都市部の待機児童解消と地域における小規模保育などの多様なニーズに対応して財政支援拡充します。

子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 上記2法案の施行に伴い、児童福祉法その他の関係法律の規定の整備等を行う法案です。

社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案
(2法案略称:税制改革関連法案)
 これがいわゆる消費増税法案で、消費税の税率を引き上げて社会保障の安定財源とする法案です。原案では所得税や相続税の最高税率の引き上げも含まれておりましたが、与野党協議により更に検討することとなり結果的に消費増税だけが先行するように見えるようになったことは非常に残念です。ただ、税率引き上げ時までには十分に景気を回復させるという前提条件は残せましたので、仮に景気回復が不十分なら税率引き上げも見送られることになります。低所得者ほど重税感を感じる逆進性に対する対策などについては、今後税率引き上げまでに具体化を検討することとなりました。

 なお、国民に負担を求める以上、その前に政治家や官僚が自ら身を切る改革をすべきとの考えに基づき、衆議院議員の定数削減法案や、公務員給与引き下げ法案などを既に提出しています。また、事業仕分け以降、事業別に、目的や効果、予算や発注状況など、徹底的に情報公開しながら無駄を洗い出すことを続けています。

法案の採決の際の私自身の対応について
 私はこの8法案すべてについて賛成しました。
 これまで、社会保障と税の一体改革については、私自身も考えがあり意見を言ってきました。復興に多くの時間を割いていたため、党の会議などには殆ど出られませんでしたが、例えば、食品やお茶など日用必需品や住宅への適応除外、二重課税の問題、引き上げ時の外税表示の必要性などを指摘。消費増税よりも所得税や相続税の最高税率の引き上げなどで対応すべきと主張してきました。ただ、政府・与党内で多くの議員が時間をかけて議論し、出した結論です。異論はありますが、決まったことには従いました。

 ただし、どうしても自分自身説明できない事が一点あります。それは前回の総選挙の際に、「この4年間は消費税を上げない」と言ったこととの関係です。この法案が成立しても、確かに消費増税は4年後以降になります。しかし、言葉の意味するところは、「4年間消費税をあげる決定をしない」ととるのが自然ですし、仮に「消費税を上げざるを得ないと判断した時には、改めて国民の判断を仰ぐ」という意味だと思います。

 今回、社会保障・税一体改革が待ったなしなのは十分理解します。税収が落ち込む中、年々社会保障費が急激に膨らんでおり、今のままでは財政が持ちこたえられません。また、子ども子育て支援の拡充も必須です。しかし、その安定財源を消費税の税率をあげて確保しなければならないというのであるならば、その点を問うためだけででも、改めて国民の判断を仰いでから実施すべきではなかったかと考えます。

 マニフェストには実現できたものと実現できていないものがありますが、その実現できていないものには2種類あります。一つはそもそもマニフェストが不十分であったもの。もう一つは、状況の変化により実施が困難になったものです。しかし、この消費税の問題はそのいずれにもあたりません。4年待っていられないというのならば、その前に国民の判断を仰ぐことは総理の判断で出来ます。増税のように国民に支持されにくい案件であっても、本当に必要なことであれば、十分に説明すれば必ず国民は理解し支持してくれるというのが、理想かもしれませんが民主主義の基本です。

 恐らく総理は、今、国民に理解・支持されなくても、後々理解され評価されるとの考えかもしれません。しかし政治家が、目の前の国民を信じられずに、国民が政治を信じるか…。この点も議論してきた重要な論点でしたが、結果的に今国会に法案を提出することとなりました。この件に関しては言い訳できないと思っており、心からお詫びいたします。もちろん衆議院解散は総理の専権事項であり私が意見すべきものではありません。しかしその総理を私は選び、支えています。今後いかにして自分自身の責任をとるか、熟考します。

津川しょうごNews2012年6月5日号

野田第2次改造内閣について
~国交・復興政務官を留任~


 野田第2次改造内閣が発足しましたが、私は国土交通大臣政務官と復興大臣政務官をそれぞれ留任し、引き続き野田内閣の一員として諸施策の推進にあたります。マスコミ報道では、今回の改造を「消費増税のため」などと報じています。確かに、社会保障と税の一体改革は総理自らが「先送りのできない重要課題」と位置付け、野党協議も含め、十分な議論をしたうえで必ず結果を出すように強く指示をされているのは事実です。

 しかし、当たり前のことですが、取り組むべき課題はそれだけではありません。最近は随分報道が減りましたが、昨年の大震災による被災地における復興と福島第一原発の事故の終息は、引き続きこの内閣の最重要課題であり、私自身、総理から全力を尽くすよう直接指示を頂きました。

 もちろん、年金、医療・介護、子育て支援といった社会保障制度の充実と持続可能性の確保も、国民生活にとって非常に重要です。私自身は国会での審議には出席しませんが、被災地での復興に集中しながらも、与野党による修正協議など、十分に情報を集めてまいります。

 また、国土交通省と復興庁というそれぞれ重い仕事を引き続き兼務することになりますが、防災・街づくり・地域交通など、両省庁で共通する仕事も多々ありますので、両政務官を兼務することを強みにて精いっぱい働いていきたいと思います。体がいくつあっても足りないと状態ですが、各省庁の政務及び官僚と緊密に連携しながら頑張ります。

三笠宮寛仁殿下 御逝去

 寬仁親王殿下の突然の御訃報に接し、驚きと悲しみを禁じ得ません。

 皇室を始め御近親の方々に衷心よりお悔やみを申し上げ、謹んで哀悼の誠を捧げます。

津川しょうごNews2012年5月21日号

災害廃棄物処分計画を修正
~岩手県分も可燃物は減少~


 本日、岩手・宮城両県において災害廃棄物(ガレキ)の推計量の見直しが行われ、岩手県分で当初推計量の約435万tが約530万tに、宮城県分で約1,570万tが約1,140万tにそれぞれ修正されました。

 両県ともに数量が大きく変化していますが、あれだけ大規模な災害であり、震災当初、人命救助を始め行方不明者の捜索や避難所の開設・運営、支援物資の仕分け・配送など、膨大な緊急業務をこなしながら災害廃棄物の全体量を推計したわけですから、決して非難されるものではないと思います。

 見直し後の全体量の内訳をみると、岩手でも木くずは大きく減少したものの、海底から打ち上げられた津波堆積物(土砂等約90万t)にも多少の不燃混合物などが混ざっていることから、それらを全て災害廃棄物として計上し、差し引き63万tほど全体量が増加しています。これまで岩手県では予定の3年間で県内処理しきれない量を57万tとはじき出し、その広域処理のため島田市を始め全国の自治体の協力で広域処理することとしていました。しかし今回、環境省が津波堆積物も廃棄物の一種としたため、あたかも広域処理しなければならない数量が120万tに増加したかのように報道されてしまいました。

 環境省としては、「廃棄物の適正処理」という基本的な考えに沿って判断したわけですから間違ってはいませんが、復興を担当する立場からいえば、津波堆積物も粗選別をすればそのほとんどが復興資材として利用可能なものであり、出来る限り資源化して現地で利用することを優先して考えれば、90万t全てを単純に広域処理に計上することは適切とは言えません。

 これまで広域処理でお願いをする予定だった木くずや可燃物は全体で約20万t減っているわけですから、仮に津波堆積物の多くを再資源化できれば、広域処理でお願いする数量はむしろ減ることになります。現在、大規模な復興工事を予定している国土交通省や林野庁に対し、大至急現場で津波堆積物を調査し、どの程度利用可能かを推計するよう指示を出したところです。

 いずれにせよ、木くずなどのうち一定量は、島田市を始めとした全国の自治体に広域処理のご協力を頂かなければなりませんが、可能な限り発生県内での処理と復興資材として利用することを最大限努力してまいりますので、引き続きご協力を頂きますよう、よろしくお願いいたします。