津川しょうごNews2012年02月05日号

志太榛原地域の防災力強化
~東日本大震災の教訓を生かす~

 昨年の震災で得られた教訓を全国の津波防災に生かすため、今月から始まった通常国会に、関連する法律案をいくつか提出しています。既に昨年の臨時国会でもいくつかの法律を成立させており、出来るところから順次法律整備と予算措置を進めているところです。

 震災からの復興は現在進行途中であり、どうすれば地震や津波に本当に強いまちづくりができるか、明確な答えが出ているわけではありません。それでも既に明らかになったことも多々あり、私自身も復興に関わりながら、地元の静岡などの対策を早急に強化する必要性を痛感しています。そのなかには、防潮堤や避難路の整備といった国や自治体が行うものの他に、避難訓練の在り方や日頃の地域のつながりなど、住民が主体的に取り組まなければならないことなどもあります。決して今回の震災を他人事とせず、自らの防災力強化に生かして頂きたいと思います。

国土政策フォーラムを焼津で開催
市民参加の津波防災まちづくりを

 1月24日、焼津市において「国土政策フォーラムin焼津 東日本大震災の教訓を踏まえた津波防災まちづくり」(主催:国土交通省、焼津市)を開催しました。当日は、政府の中央防災会議の委員でもある関西大学教授の河田氏に基調講演を頂き、続いて清水ひろし焼津市長などによるパネルディスカッションを行い、多くの視点から昨年の震災を掘り下げ、いかにして焼津などでその教訓を生かしていくかを議論して頂きました。

 会場には大変多くの市民の方々にご参加いただき、地域の意識の高さを改めて感じたところですが、当日も申し上げた通り、お仕事の都合などでフォーラムに参加できなかった方々にも、今後、是非一緒にお考えいただきたいと思います。

 焼津市内では全国防災などの一環として、昨年の第三次補正予算で県道静岡焼津線の浜当目工区や市道共和橋線他の事業化や、津波避難タワーの整備に約17億円を配分しましたが、津波防災の基本はハードとソフトの組み合わせであり、是非、インフラだけに頼ることなく、避難訓練への積極的参加などをお願いします。

4月14日、新東名(御殿場JCT~三ケ日JCT)開通へ
この国の最重要路線の防災力強化

 1月27日、新東名の静岡県内区間(162km)の開通予定日が「4月14日」と発表されました。当初の予定では来年の3月31日が完成予定でしたが、NEXCO中日本と現場の施工業者や関係者の努力により、ほぼ一年前倒しすることができる見通しとなりました。この路線は、首都圏と中京圏・近畿圏を結ぶ我が国の最重要路線である現東名の防災力を格段に向上させるものであり、特に静岡付近を震源とする東海地震の危険性が高まる中で、早期開通が望まれていたものです。

 これまでも、ある程度前倒し開通の見通しがたっており、今年の初夏までには開通できるのではないかといわれていましたが、出来れば今年の4‐5月の大型連休に間に合うようにとお願いしていたところ、結果的に連休前の開通できる見通しとなったものであり、ご努力いただいた関係各位に心から感謝いたします。

 私自身も現場で工事に携わっていた事業でもあり、開通には感慨深いものがあります。今後は、残された区間(御殿場JCT~海老名南JCT、浜松いなさJCT~豊田東JCTなど)の早期開通と全線の6車線化、最高制限速度の引き上げなど、安全で円滑な高速交通の実現に更に努力してまいります。

国道1号線島田金谷バイパス4車線化へ
新規事業採択時評価の手続きに着手

 従来のインフラ整備の手法には、港湾、空港、鉄道、道路などを別々に整備してきたという問題があり、政権交代以降、「陸・海・空の一体的交通ネットワークの構築」や「選択と集中」という視点で見直しを進めてきました。志太榛原地域においても、せっかく港湾や空港があるのに一体性が欠けているという問題があったため、新たに御前崎港の重点港湾化し、港・空港・高速道路を結ぶ連絡道路を重点的整備してきました。具体的には「金谷御前崎連絡道路」の一号バイパスまでの延伸の事業化と、事業中であった立体交差化の早期完成を進めてきたところです。

 また、慢性的な渋滞が問題となっていた国道一号バイパスの4車線化についても、これまでは静岡市側と浜松市側から順次進めていましたが、それだけでは大井川を渡る区間の4車線化が最後となり、著しい渋滞が危惧されていました。そこで、今般開通する新東名島田金谷ICや空港・港湾との連携も重視し、従来の発想を転換して当該区間の4車線化を急ぐことが必要と判断。現在、H24年度の事業化を目指し新規事業採択時評価の手続きに着手したところです。事業化が妥当との判断がされ次第、諸手続きを進めて事業化するとともに、残された藤枝バイパス・掛川バイパスの4車線化と最高制限速度の引き上げ(60km⇒80km)などを進めたいと考えています。

KDDI、3月に津波警報を一斉配信開始へ

 気象庁は、昨年の震災を受け、携帯電話の一斉同報機能を活用した津波警報の伝達を推進してきました。私も国交省の大臣政務官として省の外局である気象庁を担務しており、昨年来この議論に参加しながらその必要性と重要性を指摘し、各携帯電話事業者に協力を働き掛けてきたところであり、今回のKDDIの取り組みには敬意を表し、心から歓迎します。

 私自身、昨年の夏、陸前高田の国道45号線の仮橋開通時に、海岸から僅かの場所にいて少し大きめの揺れを感じましたが、津波注意報が出されたことを確認するまで少し時間がかかりました。緊急地震速報と同様に、海岸近くにいる人たちに一刻も早く津波注意報や警報を伝えるために、携帯電話の一斉同報機能は大変有効だと感じたところです。今後NTTdocomoやソフトバンクも津波警報を配信していただけるよう、更に働き掛けていきたいと考えています。

津川しょうごNews2012年1月1日号

 平成24年の年明けにあたり、ごあいさつ申し上げます。

 昨年は、3月11日の東日本大震災、3月15日の静岡東部地震や台風12号・15号など、激甚な自然災害に見舞われた一年となってしまいました。被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。私自身も、震災翌日から福島に張り付き、6月からは岩手の復興担当となり、現場を走り回る一年でした。

 震災発生直後の現場は正に修羅場であり、各省から集まった職員とともに政府の現地対策の最前線で無我夢中で人命救助や原発対応などにあたりました。マスコミで報道されなくとも、彼らも多くの人々を救ったのは紛れもない事実であり、私もその一員として汗をかけたことに感謝するとともに、戦友である彼らを誇りに思います。

 現在は岩手の復興の現地対策本部長をさせて頂いており、東北復興という「国家プロジェクト」の現地責任者として引き続き全力を尽くしてまいります。東北復興は東京で考えるものであってはなりませんから、現場でしっかりと被災者に寄り添い、地域の皆さんの思いを形にする復興を進めてまいります。

 昨年の災害で、日本が災害列島であることを再認識させられるとともに、国の災害に対する考え方を根本的に改めなければならないと痛感しています。社会資本整備審議会の提言にある「災害に上限なし」「なんとしても人命を守る」という指摘は、過度にハードに頼りすぎてきたこれまでの防災対策を見直し、避難等を前提にしたソフト中心の防災へ発想の転換を求めたものです。

 一方で、防災対策にはリアリティが不可欠であり、単なる「あるべき論」に終始するのではなく、「今、起こったらどうするか」を考えなければなりません。そのためには、静岡を襲う東海・東南海・南海の三連動地震や首都直下地震など、現実に予想される災害をリアルにイメージすることが不可欠です。必要なハード対策を着実に進めるとともに、なんとしても人の命を守るためのソフト対策も至急再構築してまいります。

 現場に張り付いてきたからこそ、未だに非常事態が続く被災地復興のために力を尽くすだけでなく、リアリティを持って地元静岡や全国の防災力を高めることも私の責務であると覚悟しています。犠牲になられた方々への鎮魂のためにも、昨年の震災からの教訓を生かし、私が理想とする「全ての家族が幸せな社会」を目指し、全力を尽くす一年としてまいります。皆様の変わらぬご指導ご鞭撻を、心よりお願い申し上げます。

津川しょうごNews2011年11月5日号

各地の復興計画策定を支援
~野田村復興計画策定委員会出席~

 現在、被災地の各自治体では、復興に向けた様々な計画づくりが進んでいます。国としては、事業費の実質全額を国費で負担する財政支援や、既存の制度による様々な規制を弾力的に運用する特例措置を講ずることなどの他に、各自治体の計画づくりそのものに対しても、人材を派遣するなどして支援してきています。自治体ごとの被災状況やまちづくりの考え方の違いにより、計画策定の進捗状況は様々ですが、国としてはそれぞれの自治体の事情に合わせ、特に困難な状況にある陸前高田市や大槌町を支援するボトムアップ支援と、最も作業が進んでいる野田村などを支援するトップランナー支援に特に力を入れています。

 先日23日、野田村で復興計画の原案を取りまとめる「野田村東日本大震災津波復興計画策定委員会」に出席してきました。実際に街を大きく作りかえる計画づくりは大変困難な作業で、まだまだ詳細を詰めていかなければならないところは多々あるものの、これだけ早く計画の原案が取りまとめられたことは称賛に値すると思います。今後の詳細な事業計画の策定についても、国をあげて支援していきたいと考えています。

山田町「復興かき小屋」落成式典出席
観光拠点の復活

 10月28日、静岡県からも多くの支援をして頂いている山田町で、特産物のかきを殻付き食べ放題で提供してきた「かき小屋」が、「復興かき小屋」として再スタートすることとなり、私も落成式典に出席してきました。元々は漁協の建物の一角を利用した施設でしたが、今回の津波で建物ごと全て流出し、また、かきの養殖施設も壊滅的被害を受けたために、一時は再開の見込みが全く立たない状況でした。しかし、早い段階から水産業の復興を重点的に進めてきた結果、数はまだ限定的であるものの一定程度のかきを確保できる見通しが立ち、町や、かき生産者を始め関係者の強い思いと努力により、以前よりも更に立派な「かき小屋」を再建することが出来ました。場所も移動し、以前は難しかった大型バスで乗り付けることもできるようになり、観光拠点としての期待も大きくなっています。

 私も試食させていただきながら町長や漁協関係者の方々のお話を伺い、大津波を乗り越えてのかき小屋の復活に、復興への熱い思いを強く感じたところです。今後、ボランティアなどで岩手に来て頂く予定のある方や、観光で復興支援をして頂ける方には是非お勧めします。完全予約制ですので、詳細は山田町観光協会のホームページをご覧いただき、山田町観光協会案内所(0193-84-3775)までお申し込みください。

広域防災拠点要望箇所を視察
静岡空港隣接地を視察

 11月1日、川勝平太静岡県知事から要請を頂き、静岡空港の隣接地を視察してきました。静岡県からは、当該地区を国の基幹的広域防災拠点として整備することができないか、国に対して検討を要請する準備をしているとの説明を頂きました。基幹的広域防災拠点とは、東海地震などの大規模地震等の災害発生直後、国・被災県市などの合同現地対策本部を被災地に設置し、広域的な災害対策の総合調整を行うところです。具体的な機能としては、救援物資の中継・分配機能や、自衛隊などの広域支援部隊の一次集結・ベースキャンプ機能、災害医療支援機能などを持たせることを想定しており、現在のところ首都圏で整備が進められ、阪神圏においても検討が進められています。静岡を含む中部圏においてはまだ具体的な検討に入る前の段階ですが、今回の震災も教訓にしながら、具体的検討に向けた準備を速やかに進めるよう内閣府防災に要請しました。

三陸鉄道復旧工事安全祈願祭・起工式出席
被災鉄道本格復旧へ

 11月3日、震災で大きな被害を受けた三陸鉄道の復旧工事の起工式があり、国を代表して出席してきました。三陸鉄道は、旧国鉄から経営を引き継いだ最初の第三セクター鉄道として運行されてきましたが、今回の震災により多くの区間で鉄路が流出するなど、大きな被害を受けました。幸いにも地震の揺れによる脱線はなく、乗員乗客の皆さんは無事だったとのことですが、施設としてはどこに駅があったかすら分からないほどに壊滅的な被害を受け、現在もまだ全体の3/4の区間が運休中です。元々経営が厳しく、少ない人員で運営されていたところでもあり、今回は国としての新しい支援のルールを作り、復旧費のほぼ全額を国費で負担することとしました。地域住民の生活の足であるとともに、観光鉄道としての役割も大きかった鉄道ですので、来春の久慈~田野畑間の開通を皮切りに、2014年4月の全線運転再開に向けて、引き続き国として支援をしていく予定です。


津川しょうごNews2011年10月20日号

臨時国会スタート
~特区法案と三次補正等を審議~

 本日(10月20日)、第179臨時国会が12月までの会期でスタートしました。今国会で議論される予定の主な法案は、東日本大震災からの復興支援策をまとめた「東日本大震災復興特別区域法(復興特区法)案」と、全国の津波防災機能強化のための「津波防災地域づくりに関する法律(津波防災法)案」などがあり、あわせて実際に施策を実施するための第三次補正予算案も審議される予定です。

 復興特区法案
 東日本大震災からの円滑かつ迅速な復興を進めるため、被災地域で区域を定め、規制の緩和や土地利用計画の特例、新設する復興交付金を活用したまちづくりなどを実施するための新しいルールを創設する法案です。これまでは、農地と宅地を大きく入れ替えるような区画整理は制度上困難でしたが、今回の復興では、津波浸水地域から安全な場所に住宅地を移転させるなど大胆に土地利用計画を変更する必要があり、この法律を作ることで、それらを迅速に実施することが可能になります。また、たとえ計画を作っても予算が無ければ実行することはできませんが、通常は国と自治体の双方で負担をするので、国だけでなく自治体も予算を組む必要があります。しかし、財政力の弱い自治体では自己負担に限度があることから、大胆な計画を作ること自体に躊躇してしまうことがあります。そこで今回は特例で事実上国が100%事業費を負担する制度も創設し、被災自治体を強力に支援することとしています。一方で、自治体の負担がなくなる以上、「自己負担が無いなら」という発想で必要以上の事業を実施することが無いよう、自治体にもコスト意識を持ってもらい、「絶対に必要な事業は国が予算は確保する一方、不要なものは絶対に作らない」というルールは徹底していきたいと思っています。

 津波防災法案
 復興特区法は今回の被災地に特別に適用されるものであるのに対して、全国の津波防災力を向上させることを目的にしたのがこの法案です。想定東海地震の危険性の高い静岡においても使えるものであり、今回の津波被害の教訓をいかし、津波避難ビルの整備促進や、高速道路の盛土区間など津波被害を防止・軽減するために有用な施設を「指定津波防護施設」として指定し、ハード・ソフトを合わせた多重防御の津波対策を計画的に推進することができるようになります。実際にはまず県で計画を策定して頂く必要がありますが、想定東海地震は確実に迫ってきていますので、静岡においても確実に津波から身を守ることが出来る地域づくりが進むよう、国としても強力に支援してまいります。

 復興庁設置法案
 国による復興支援は複数の省庁にまたがるものであるため、縦割りを排除して迅速に対処することが肝要です。そのために総理を本部長とする復興対策本部が設置され、その岩手現地対策本部を私が担当させい頂いているところですが、さらにこの機能を強化した復興庁を設置しようとするのがこの法案です。他の省庁の一段上に復興庁を設置し、現地にも、私のような兼務ではなく専任の大臣政務官をトップとする復興局置き、被災自治体との一元的窓口の機能を強化する内容となっています。平常時には各省が役割と責任を分担して業務を進めることは一定程度の合理性があると思いますが、大きく制度を変えなければならない時や災害などの緊急時においては、縦割り行政は弊害も多く、一元的に権限を有する機関を設置することは有効であると考えています。

 第三次補正予算案
 これまで第一次・第二次補正予算で緊急災害対策を実施してきましたが、更に復興を確実かつ迅速に実行していくため総額約12兆円の第三次補正予算案を提出します。内容としては、復興施策に重点的に配分されていますが、それだけでなく、最近の過度な円高の影響による産業空洞化への対応、及びB型肝炎関係経費や台風12号への対応を含めた災害対策費等も計上しています。財源は、復興債約11.5兆円の他、歳出削減によるものが約1,700億円などとなっています。また、復興債のうち、1.5兆円ほどは個人向け国債として発行される予定です。
 被災地では、単に震災前の町の状態に戻すだけでも膨大なコストがかかりますが、単に元に戻すだけでは今回の災害の教訓を生かしたことになりません。二度と津波による犠牲者を出さないために、防潮堤などのハードの整備だけでなく、避難しやすいまちづくりなどソフト政策と一体となった新しいまちを作る必要があります。結果的に非常に多くの国費を必要とすることになり、全国の納税者の方々にも負担をお願いすることになりますが、是非ご理解を頂きたいと思います。また、私自身もこれまで毎月50万円国に返納してきましたが、国民に新たな負担をお願いする以上、国会議員の定数見直しなど、さらなる行財政改革にも取り組んでいく覚悟です。

国土交通政務官としても全国を奔走
~奄美大島などを視察~

 一週間の内、基本的に4.5日対2.5日の割合で、岩手での復興の現地本部長としての仕事と、東京での国土交通大臣政務官の仕事を割り振っています。元々国交政務官としての業務も少なくなかったのですが、国交省の仕事に振り分けられる時間が約半分になったので、毎日かなりハードに仕事をさせてもらっています。ただ、忙しくとも現場に足を運ぶことは重要と考え、国会が閉会中の期間に数ヶ所だけ現場に赴きました。

 10月19日には奄美大島を訪れ、現地の(独)奄美群島振興開発基金の理事長と鹿児島県の大島支庁長とともに、新しく整備する情報通信関係の創業支援(インキュベート)施設や大島紬村、黒糖焼酎の醸造所、基金の融資先でもあるマンゴー農家や個人食堂などを訪問。多くの現場の方から直接現況をうかがうことが出来ました。また、奄美大島は昨年に引き続き今年も大きな水害が発生しており、災害発生現場の復旧状況を確認するとともに、国交省で整備を進める名瀬港の整備状況も確認してきました。最後に、奄美市、瀬戸内町、大和村、龍郷町、宇検村の各市町村長と会談し、災害対策や離島振興策について意見交換をし、離島としての振興の難しさがある一方、奄美ならではの観光資源の活用についてなどは、まだまだ大きな可能性があることも感じました。離島政策や観光施策も担当する国土交通省の政務官として大いに参考となる視察となりましたので、今後の業務に生かしてまいりたいと考えています。

 そのほかにも、6日には京都、8日には群馬、20日には午前中だけでしたが熊本・福岡をそれぞれ訪れ、現地の自治体関係者や国交省が所管する事業者の方々と面談等をしてきました。いずれも限られた時間ではありましたが、現場に赴き、現場の声を頂くことの重要性を改めて感じたところです。これからもなんとか時間を作り、地元静岡も含め、全国の現場にお邪魔したいと考えています。

津川しょうごNews2011年10月5日号

新しい海岸堤防建設へ
~岩手県が堤防高を公表~

 今回の3.11大津波は、いたるところで既存の海岸堤防を大きく乗り越え、市街地にも甚大な被害をもたらしました。また、堤防の中には津波のエネルギーに耐えられずに大きく損壊したものもあり、その無残な様子をテレビ報道の映像などでご覧になった方も多いかと思います。

 一方、津波が堤防を乗り越えず市街地に被害が無かった地域もありますし、津波が乗り越えたり堤防が破壊された地域でも、市街地に津波が到達するまで時間を稼いだり、津波のエネルギーを減衰させて市街地の被害を低減さるなど、堤防としての一定の効果があったことも確認されています。

 これらのことを受け、国は今後の津波防災のあり方として、比較的頻繁(数十年~百数十年)に発生する津波に対しては海岸堤防で対応する一方で、それを超える津波があることも想定し、内陸にある道路や鉄道などの構造物を第二の堤防(二線堤)として整備したり、一刻も早く安全な高台に避難できるよう、避難場所や避難路を確保するなど、複数の対策を組み合わせた「多重防御」による津波防災対策を進めることとしました。つまり、無暗に高い堤防を建設して津波を完全に食い止めようとするのではなく、「減災」の考え方に立ち、逃げることを前提にしてその時間を稼いだりエネルギーを減衰させる構造物を整備するなど、ハードとソフトを組み合わせてより現実的な防災対策を計画的に進めることへと方針を転換させたわけです。

 あまりにも多くの命を失ってしまった今、私たちには、人知を超える自然のエネルギーに対して謙虚である一方で、二度と津波によって人命が失われることがないまちづくりをする覚悟が必要です。技術的・財政的に非現実的な計画であってはならず、逆に実現性に妥協して次の津波が来た時にまたしても多くの命を失うような危険な計画であってもなりません。従来の知見を総動員するとともに、新しい仕組みを作ることも視野に入れながら、それでも一刻も早く復興が進むよう、私たち政府現地対策本部・県・自治体ともに必死になって復興計画の検討を進めているのが、今の現場の状況です。

 そんな中、去る9月26日、新しく再建する海岸堤防の高さについて発表することが出来ました。今回発表されたのは岩手県内24の地域海岸の内、関係機関との調整等が整った10の地域海岸の海岸堤防高です。既に全地域で応急復旧は完了していますが、これらの地域では現在進めている災害査定が終了次第、ただちに新しい海岸堤防の建設に取り掛かり、早期の完成を目指して整備を進めてまいります。残りの14の地域海岸についても今月下旬には発表できるよう検討を急ぐとともに、より複雑で難題の多い市街地等の総合的防災対策についても引き続き検討を急いでまいります。

「ナンバープレートのあり方に関する懇談会」設置します
~ご当地ナンバー追加などについて検討~

 平成14年頃、全国各地から自動車のご当地ナンバー新設の要望があり、政府内で検討した結果、全国19地域で新しいナンバーが導入されました。静岡県内では「伊豆」「富士山」が認められ、県の中部や西部でも時々目にすることがあるかと思います。昨今、岩手県の「平泉」などからナンバー追加の強い要望もあり、既に実施したご当地ナンバーの効果等の検証も含め、ナンバープレートのあり方を広く検討するため、国土交通省内で私の主宰で検討会を開催することにしました。

 会議には前回の議論をまとめて頂いた有識者の方々をはじめ、自動車メーカーや販売業界の方、観光の専門家などにメンバーになって頂き、自治体関係者を代表して大村静岡県副知事にもご参加いただくこととなりました。検討内容としてはご当地ナンバーだけではなく、ナンバープレートで表示する情報の種類や活用方法、更にはプレートの形状などについても幅広くご議論いただく予定です。

 以前、自動車のデザイナーの方のご意見として、「折角車体の空力やデザインを工夫してもナンバープレートがしっくりこない事がある」といったものを聞いたことがあります。欧州のプレートの形状が良いというご意見や、漢字の方がクールであるという海外の方のご意見等、様々あるようですので、ベテランドライバーから若いドライバーの方々まで幅広いご意見を頂ければと思います。ご意見を頂く具体的方法やタイミングは今後検討してまいりますので、その際は是非よろしくお願いいたします。

津川しょうごNews2011年9月20日号

野田総理大臣が被災地入り
~陸前高田などの現場を視察~

 9月10日、野田総理大臣が被災地入りし、福島、宮城に続き岩手県内を視察しました。岩手では特に被害の大きかった陸前高田市を訪れ、高田松原や被災市庁舎を視察したのち、仮設庁舎で市及び県関係者と意見交換を行いました。私も現地対策本部長として同行し、これまでの復旧作業や今後の復興計画案の策定状況について説明しました。

 陸前高田市は、湾の形状や市街地の地形・海抜などの関係から津波の流速が速く、非常に多くの建物が押し波で流され、多くの人命が失われました。二度と津波によって人命が失われることのない安全な町を作るためには、防潮堤の嵩上げのみならず市街地全体を嵩上げすることも検討されており、かなりのコストを要する可能性があります。単なる復旧ではなく、安全を確保しながらの復興には相当の予算確保が不可欠であることを、野田総理にも実感として理解して頂けたと思っています。

 更に、21日には川端総務大臣、22日に平野復興担当大臣、23日に前原政調会長、24日には前田国土交通大臣が釜石市や山田町などに入り被災地を視察する予定で、私もその都度現地でお出迎えし視察に同行させて頂きます。「百聞は一見に如かず」と言いますが、同じように見えても被災地により事情は大きく異なりますし、瓦礫がきれいに撤去された更地などは一度見ただけでは被災状況を理解しにくいところもありますので、なるべく丁寧に、震災以降今日までの状況を説明させて頂いています。ただ、マスコミ報道だけでは到底十分な理解はできませんし、被災自治体の皆さんにとっても東京に陳情や要請に来ていただくより負担は少ないと思いますので、今後も調整の付く限り各省大臣にも被災地入りをして頂こうと思っています。

防災拠点空港の整備について
~全国防災の強化に向けて~

 先日、川勝平太静岡県知事の考えとして、静岡空港の隣接地を整備し広域防災拠点としての機能を付加することを検討しているとの報道がありました。私も以前から静岡県の災害ボランティアの方から同様の提案を内々に頂いており、国土交通省航空局や内閣府防災などに確認し、実現の可能性について調べています。提案のイメージは、単に備蓄倉庫などのハコモノの整備をするというより、静岡県のボランティア協会などが持っている全国の災害支援ネットワークの拠点としての機能を空港に持たせるものであり、これまでの全国防災の中には無かった新しいアイデアであると理解しています。

 一方、政府の東日本大震災からの復興基本方針には、被災地の復興とともに全国防災の強化も重要な柱と位置付けられています。今回の災害でも自衛隊・警察・消防・海上保安庁の災害派遣や、食糧や毛布・ガソリン・灯油・軽油などの緊急支援物資の輸送に、陸・海・空の輸送能力を最大限活用しましたが、なお改善の余地があると感じていたところでもあり、東海地震をはじめ今後全国で発生しうる大規模災害時の初動体制を強化するアイデアとして、検討していきたいと考えています。

津川しょうごNews2011年9月5日号

野田新内閣発足
~私も政務官と本部長に再任~

 9月2日午後、民主党代表の野田佳彦衆議院議員を総理とする、野田新内閣が正式に発足しました。東北などの被災地では応急復旧から本復旧、そして更に復興へと向かう大変大事な時期であり、このタイミングでの内閣の交代は決して望ましいものではないと私は思います。また、安倍内閣以降、お決まりのように毎年総理大臣が代わり、民主党政権になってからだけでも2回目となる総理大臣の交代は、国内のみならず国際的な信用をも損ないかねない事態です。菅内閣発足直後の参議院選挙で民主党が敗北、ねじれ国会となり野党の協力も得られず政権運営が行き詰ったことが原因だとはいえ、安定しない政府が国益を損なっていることは否めません。新政権では、震災対応・原発事故対応をはじめとして、これまで長年放置されてきた人口減少社会における様々な諸問題にもしっかりと向き合い、一つ一つ実績を積み重ねることで安定的な政権を作り上げることが必須の課題です。

 私自身は、国土交通省の大臣政務官と東日本大震災復興対策本部の岩手現地対策本部長に再任され、引き続き確実で一日も早い復興を成し遂げるため、被災者に寄り添い最前線で任務に全力を尽くす覚悟です。菅内閣発足時に国交大臣政務官を拝命し、その後の第一次内閣改造時、及び第二次内閣改造時でも留任し約1年3カ月務めてきましたので、今回の新内閣発足でも更に再任されるということは異例だと思われます。これは復興事業に切れ目を作らないための措置だと思われますので、責任を自覚し国土交通行政に係る諸問題も含めしっかりと対処し責務を果たしていきたいと考えています。特に新任の前田国土交通大臣は元々国土交通行政に大変精通した方であり、私も様々なことを更に吸収しながら、なお一層現場主義に徹し、国民のいのちとくらしを守る国土交通行政を実現してまいりたいと考えています。

 12年前、私が初めて民主党の門をたたいた時、出来たばかりの政党であった民主党は、若輩者の私から見ても新党ならではの未成熟さを感じるところがありました。しかし実際に党の中に飛び込んで、それ以上に強く感じたのが若手議員の能力と志の高さです。当時はまだ殆ど無名でしたが、特に感銘を受けたのが樽床伸二氏、前原誠司氏、枝野幸男氏、玄葉光一郎氏、野田佳彦氏の5人です。私は勝手に5人衆と呼んでいましたが、「この中の誰かが」というより、「この人たちが」この国のかじ取りを始めた時、日本の政治は変わる、そして「この人たち」が日本を動かすところをぜひ見てみたい、と強く感じました。あれから12年がたち、日本は更に困難な状況に陥っています。未曾有の大震災にも直面しています。そして私たち民主党は未だ成熟していないことも自覚しなくてはなりません。しかしそれでも、民主党政権は政権を安定させ、選挙で頂いた国民の期待に必ずこたえる責務があります。日本にまともな民主主義を作り上げるためには、国会で政策を論じ、政府がそれを実行し、国民がそれらをよく見、責任を持って選択できる形を作ることが不可欠であると信じています。これまで民主党政権が国民から厳しい評価を頂いていることは承知をしておりますが、この野田政権において必ず評価をして頂けるよう、まずは震災からの復興を中心に全力で取り組んでまいります。


大船渡市東日本大震災犠牲者合同慰霊祭に出席
~鎮魂と復興の思い新たに~

 9月3日、大船渡市で行われた東日本大震災合同慰霊祭に、野田総理大臣の代理も兼ねて出席し、犠牲者の御霊に哀悼の誠をささげ、ご冥福をお祈りしてまいりました。大船渡市では今日(9月5日)現在、337名の方がお亡くなりになり、今なお114名の方々の行方が判っていません。慰霊祭の会場となった市民文化会館には600名近いご遺族の方々が参列されており、その全ての皆さんが献花台に白い花を捧げられている様子を見ながら、政府としてしっかりと支えていかなければならないという思いを新たにしました。大船渡市の戸田市長とはこれまでも何度も意見交換を重ね、岩手県も含めて連携を強化していますので、これからもご遺族の方々をはじめ被災者の方々にしっかりと寄り添いながら、着実かつ迅速に復興を進めてまいります。


津川しょうご後援会被災地支援ツアー
~参加いただいた皆様に心から感謝申し上げます~

 8月26日、津川しょうご後援会の方々が岩手県の被災地支援のため、ボランティアで応援に来ていただきました。津川しょうご事務所のスタッフが企画したもので、ご参加いただいたのは藤枝市・焼津市・島田市・牧之原市・川根本町・吉田町の後援会の有志の方々を中心にした50名以上の方々。片道800kmを超える道のりを、バス中泊も含む強行軍でお越しいただきました。昭和三陸津波とほぼ同世代の方から現役世代の方、さらにもっと若い方まで、幅広い世代の方々にご参加いただき、余りにきつすぎるのではないかと私は少し心配していたのですが、怪我や事故もなくほっとしているところです。現地からは本当に活躍を頂いたとの感謝の言葉も頂き、私からも心から感謝申し上げます。

 当日は後方支援拠点となっている遠野市のボランティアセンターに入り、支援業務を割り振って頂いて陸前高田市での作業をしていただきました。天気が心配されましたが幸いにも雨は降らず、瓦礫の分別や草取りなどを行って頂きました。その日の夜は盛岡市内のつなぎ温泉に泊まり、翌日、平泉を観光して静岡に戻るコース。観光で東北を応援して頂くという趣旨でしたが、本当にお疲れになったのではないかと思います。私は夕食の時にご挨拶をさせて頂いただけでしたが、参加いただいた皆さんの温かい笑顔と激励に大変勇気づけられ、感謝の気持ちでいっぱいです。私が地元を留守にして復興のために全力を注ぐことができるのも、ご理解を頂き変わらぬご支援を頂いている皆様のおかげです。皆様のご恩に報いるためにも、今は被災者の方々のため、そしていずれは日本全国のために、一日も早い復興が成し遂げられるよう全力で頑張ってまいります。本当にありがとうございました。