民主党新代表、新総理大臣に野田佳彦氏

 昨日(8月29日)民主党代表選挙が行われ、野田佳彦(54)衆議院議員が新代表に選ばれました。選挙には野田氏のほか、前原誠司氏、馬淵澄夫氏、海江田万里氏、鹿野道彦氏の5人が立候補し、民主党所属国会議員による投票の結果、一回目の投票で2位につけた野田氏が決選投票で海江田氏を38票差で破り、逆転で当選を果たしました。

 私自身は「復興を確実に、そして一日でも早く復興を成し遂げる体勢を作り上げられること」を判断基準に、一回目の投票では国土交通行政に精通した前原氏に、決選投票では挙党体制と野党との信頼関係醸成を訴えた野田氏に票を投じました。政治評論家ならば、5氏の主張の違いを分析・論評することも意味があるでしょうが、現実に政治の現場に責任を持つ立場の私としては、既に終わった代表選挙を振り返って論評することは今は致しません。それよりもいかにして復興を加速するための体制を作り上げるかが大切であり、私自身、出来ることに全力を尽くしたいと思います。

 本日、衆参両院において首班指名が行われ、いずれの院においても野田氏が最多得票を得、第95代の内閣総理大臣に就任することが決まり、今後、皇居での任命式を経て正式に野田新内閣が発足することになります。菅内閣が総辞職したことで、私も国土交通大臣政務官及び東日本大震災復興対策本部岩手現地対策本部長を辞したことになりますが、新内閣が発足するまでの間、政治空白を作ることがないよう職務執行内閣の一員として引き続き岩手で責任を持って職務を行ってまいります。

民主党代表選挙について

 明日(8月30日)、民主党代表選挙がおこなわれます。
 今現在、岩手で復興の現場責任者をさせて頂いている立場からすると、永田町の感覚にはついていき難いというのが本音です。リーダーを選ぶことは大変重要であり、「誰がなっても同じ」などとは決して思いませんが、そもそも総理大臣が短期間で交代を繰り返すことの弊害は少なくなく、しかもなぜ今なのか、すっきりと理解できないものがあります。ただ、現場としては、内閣が代わることで復興に遅れが生じないよう危機感を持って業務を進めてるところです。

 私自身が誰を支持するかという質問をメディアの方々からいただきますが、本日も岩手県内の被災地を回っており、今のところ代表選挙に関する十分な情報を持ち得ていません。この記事も盛岡で書いており、これから上京する予定です。本日行われた討論会でのそれぞれの主張や覚悟を伺ったうえで、「確実に、そして一日でも早く復興を成し遂げる体勢を作り上げられる方」を支持したいと思います。

津川しょうごNews2011年8月20日号

重要性増すボランティア支援
~仮設住宅団地の「絆再生」に向けて~

 岩手では体育館などの避難所に避難していた被災者の方々が仮設住宅などに移り、災害復旧から復興へとステージが替わりつつあります。道路や堤防といったインフラについても、緊急的な応急復旧から本格的な本復旧へと進んできました。瓦礫の撤去についても全体として既に8割以上が一時仮置き場に搬入済みとなり、震災直後をご覧になった方が見れば、随分と作業が進んでいることを実感して頂けると思います。各自治体においてもこれからのまちづくりを決める復興基本計画等の策定作業が佳境に入りつつあり、未来に向けた課題解決が議論の中心になりつつあります。

 そんな中、これまで多くの被災者を支えて頂いてきたボランティアについて、そろそろその役割を終えつつあるのではないかというご意見をうかがうことがあります。確かに今後、被災者の方々を行政などが直接雇用したり、被災者を雇用している地元企業に業務として発注することにより、これまでボランティアの方々に担って頂いていた作業を引き継いでいくことは重要です。被災地では雇用が失われており、国や県の支援事業においても可能な限り地元の雇用につなげることを念頭に置いて実施されています。しかしその一方で、内容によっては是非ボランティアの方々の力をお借りしたいものもまだ沢山あり、そしてその重要性はむしろ増していると私は考えています。

 まず必要なのが、仮設住宅団地の生活環境改善に関する事業です。
 仮設住宅は生活の場ですから、当然のことながらそれぞれの生活スタイルに合わせてニーズが異なります。当然共通する課題もありますから、国としても様々な支援策を用意してはいますが、実際の運用に関しては現場ごとのニーズに合わせた弾力的な運用が不可欠となります。平時なら自治体に弾力運用をお任せすれば済むようなことでも、今のような非常時においては事務量が処理能力を超えているため、上手く運用できないケースが少なくありません。よく見られるのが新たな支援策に関する情報が、現場に伝わらないケースです。

 一つ例をあげると、応急仮設住宅に入居できる期間について、原則2年という規定がありますが、実際には延長が可能となっています。特に今回は震災の規模に鑑み、被災者の方々に「2年で追い出されるかもしれない」という無用な不安を抱かせないよう、2年を過ぎても住み続けられる旨をお伝えいただくように、自治体にお願いしてありました。ところが入居者の中には従来の原則である「2年で出なければならない」という従来の原則しか伝わらず、極度に不安を感じていらっしゃる入居者がいるという情報がありました。そのため、2年以上入居が可能な旨の通知文書を各自治体にお渡しし、改めて被災者の方々にお知らせいただくよう要請したところですが、このような例はなかなか無くなりません。これは、国や県の支援策が現場に伝わらないという問題であると同時に、現場のニーズが行政側に伝わっていないという問題でもあります。

 そこで、問題の本質は地域の絆が失われコミュニケーション不足に陥っていることにあると考え、その対策として、仮設住宅に入居されている方々が集える「場」の提供ができる支援策を作りました。この仕組みは、阪神淡路大震災などで息の長い支援を現場で続けてきたNPOの方々などから提案され作られたものです。これまでも仮設住宅団地を造成する際に、一定程度の規模以上の場合には談話室等を作ることがルール化されてはいましたが、単にハコモノを作るだけでは絆は再生されません。新しい支援策では、ハコモノの確保に加えて、人々が集える事業全体を支援することとしました。その事業の中心になって頂くのがNPOなどのボランティアの方々です。過去には、被災者の方々が集まって、支援して頂いた方に感謝のしるしとしてお渡しする品物を作った例などがあり、みんなでその作業をする中で、情報交換をし、お互いの悩みや不安を相談し合い、絆が深まっていったといいます。自治体と連携しながらも行政では思いつかないような自由な発想で事業を展開して頂き、多くの仮設住宅団地に絆が再生されることを期待しています。

 他にも、買い物や通院・通学などに不可欠な交通手段が不足している団地が多いことから、従来からあった支援事業を要件緩和し、地域のニーズに合わせたデマンド交通の導入などを国から自治体に具体的に提案するなどしていますが、これも地域の絆が弱いままでは上手く機能しない恐れがあります。これまで、デマンド交通は一般のバス会社などが不採算を理由に路線から撤退した地域などで導入されてきました。地域の住民が話し合いを重ね、よりきめ細かなニーズを調査・調整することなどで成功した例はありますが、行政が先頭に立って導入すると案外苦戦する例が多いのが現実です。従って今回も、仮設住宅団地の住民の皆さんをしっかりと巻き込みながら、「どこに買い物に行きたいのか」「何時ころ病院に行くのか」といった細かいニーズに対応しなければ、いざバスを走らせても、必要な時にはバスが来ず、折角来た時には誰も乗らない、といった事態になりかねません。この問題も、地域の絆が再生することで解決することが可能だと考えています。

 そして最重要視していることは、入居者の皆さんが部屋に閉じこもることによる二次被害を発生させない事です。避難所では厳しい中にも自然にお互いに助け合い励まし合うことが出来ていても、仮設住宅に入ってからではそれが困難になるケースは珍しくありません。今まで以上に意識して絆を再生することが急務です。

 これまで同様に、瓦礫の分別や側溝さらいといった作業もまだまだ必要ですが、これからは特に、地域の絆を再生させることや、さらに多様化するニーズを正確に丁寧に把握するため、ボランティアの方々の変わらぬご支援を、無理のない範囲で継続して頂けますよう、よろしくお願いいたします。

津川しょうごNews2011年8月5日号

まもなく避難所解消へ。
~仮設住宅等への入居を加速~

 震災発生以降、住居を失った被災者の方々の多くは、自治体が用意した避難所等での生活を余儀なくされてきました。発災当初はまだ寒い時期でもあり、被災者の皆さんには精神的にも体力的にも大変厳しい状況が続いていましたが、自治体・県・国・住宅メーカー・建設会社といった関係者の努力により、岩手ではまもなくほぼ全ての被災者の方々が、仮設住宅などに入居できる見通しとなりました。当初は、あまりに膨大な被災者の数に対して地形的制約などで建設用地の確保が困難なことから、全ての仮設住宅が完成するには年末までかかるのではないかと指摘をする声もありました。菅総理が国会で「お盆のころまでには、希望する全ての被災者の方々が入居できるよう仮設住宅を整備する」という目標を示した時、多くのメディアは懐疑的な見方をしましたし、確かに現場でも必ずしも確固たる見通しがあったわけではありませんでした。しかし、自治体の皆さんも、県も国も関係業者も、避難所生活による二次被害を絶対に出してはいけないという強い思いを共有し、様々な工夫と努力を続けたことにより、まもなく避難所を解消することができるところまで来られたことは称賛に値すべきことであり、関係各位に対し、私からも心から敬意を表し感謝申し上げます。

 仮設住宅を整備するには大きく分けて二つの作業があります。一つは入居希望者の把握と調整、もう一つは用地の確保と住宅の建設です。大まかにいえば、前者は自治体が担当し、後者は都道府県が担当。国はそれらの建設費や入居者の家賃分の費用などを負担するのが一般的です。しかし今回の震災では、多くの自治体が広範囲に被災し、あまりに多くの被災者の方々が家を失った上に自治体の職員さんも多くが被災をし、ただでさえ困難な作業に拍車がかかりました。また用地に関しても、そもそも限られていた平地が津波に襲われた地域などでは、仮設住宅を建てられる土地を確保すること自体が困難で、当初は土地の確保に目処が立たない事が最も深刻でした。

 そこで国としては仮設住宅の制度を柔軟に運用し、既存の民間賃貸住宅を仮設住宅とみなすことができるようにしたり、国土交通省の専門職員を派遣して県の職員とともに現地まで足を運び、県に代わって配置図を作成するなどの支援を実施。先例にとらわれない支援を続けたことで整備を加速することができたと考えています。
関係各位の懸命な努力により仮設住宅の供給は加速しましたが、急いだゆえの反省点もあります。私自身も各地の仮設住宅を見て回りましたが、地元の大工さんが地元の木材を使って建てた素晴らしい仮設住宅がある一方で、急いで建てたためか度々不具合が報告される仮設住宅があるなど、課題や改善点なども判ってきました。また、もともとの町内会単位で入居して頂こうとしたために調整に時間がかかったり、逆に抽選で入居者を選んだために、折角入居が決まっても顔見知りの居ない団地に一人で入居せざるを得ない高齢者の方が入居をためらうなど、調整の難しさも改めて浮き彫りになりました。今回の経験を生かし、大規模災害が発生した時の仮設住宅の整備について、国として早急にとりまとめ、今後の全国の防災計画などに必ず反映させてまいります。

 また、国庫負担のためかあまり問題視されていませんが、建設費などの費用についても今後冷静に検証する必要があると考えています。過去の経験から、仮設住宅建設は一軒2百数十万円と言われていましたが、今回は4百万円を超えたところも少なくなかったのではないかと思われます。寒冷地仕様であることや、合併処理浄化槽を併せて設置しなければならなかったことなどが指摘されていますが、数年で解体することが前提の仮設住宅におカネをかけるなら、仮設はなるべく簡易なものにしてむしろ恒久的な住宅におカネをかけた方が合理的との考えもあり得ます。全体を検証するにはもう少し時間が必要ですが、これらの点についてもしっかりと記録を残し、整理したうえで公開し、今後の改善に役立てたいと考えています。なお、仮設住宅団地の運営が今度課題となってきますが、その点については次回報告させていただきます。

津川しょうごNews2011年7月20日号

只今奔走中。
~新たな支援制度の目詰まり解消~

 岩手現地対策本部長就任以来、①復興高速道路の早期事業化②各被災自治体の復興基本計画等の作成支援③復興を牽引するトップランナー支援を当面の目標に掲げ、岩手県内を走りまわっています。

 復興高速道路の件については、私自身、国土交通大臣政務官を兼務していることもあり、震災以降、国交省内での検討も重ねてきたところですが、本部長としても特に三陸沿岸の縦貫道路と横断道路について、岩手県や関係自治体にもご協力いただきながら早期事業化へ向け作業を進めています。既に縦貫道路についてはルート確定に向けた作業を開始し、8月中には確定できるよう鋭意作業を進めているところですが、横断道路についても近々同様の作業を開始し、こちらも同様のスケジュール感で作業を進めたいと考えています。

 各被災地の復興計画等の作成支援については、まずはそれぞれの自治体によって異なる進捗度を揃えていく必要性を感じています。同じ岩手県内の自治体でも、8月中にはある程度の方針がまとまる見通しのところもあれば、年末までかかりそうなところまで様々です。被災の程度が違いますし、地理的条件や産業構成も違いますから当然と言えば当然ですが、いずれの地域であれ、被災者の方々が一日も早い復興を目指していることに違いはありません。国としては、より困難な状況にある自治体の復興が他の自治体より大きく遅れることが無いよう、特に支援を強化していかなければならないと考えています。しなければならないことは山ほどありますが、一部自治体では震災対応に追われ、通常の行政事務にも支障が出てきているところもあり、市町村職員の皆さんも限界に来ています。岩手県内では、現職の町長自らも震災の犠牲になった大槌町が特に深刻な状況にありますが、岩手県のみならず、静岡県や静岡県内の各自治体職員の方々など、県外からもプロの自治体職員さんが大勢支援に駆けつけてくださり、継続的な支援を続けて頂いていることは本当に有難いことだと感じています。

 自治体が復興計画をつくることにより、新しいまちのビジョンを確定し復興のプロセスを明確にしていくことは大変重要です。今を生きる地域住民の方々の思いを形にするとともに、未来に向かって二度と地震・津波で人の命が失われない安全な町を作らなければなりませんから、迅速さとともに慎重さも求められます。ただ、人々の生活に待ったはありません。仮設住宅への入居は岩手県内では概ね8月中旬までには完了できる見通しですが、次に急がなければならないのが仕事の確保です。震災で業務停止を余儀なくされた事業者の方々の内かなりの方々が、事業を早期に再開しようという意志を持って頂いています。これは大変有難いことだと感じています。その中でも早く再建できそうな方々を集中的に支援し、トップランナーとして復興を牽引して頂こうと思っています。国としては、事業再建に係る費用の3/4を補助する制度や、仮設住宅と同様に仮設の店舗や工場を建て家賃を無料で使っていただく制度、漁船だけでなく漁具といった設備の調達に対する直接補助制度も整えました。

 岩手県内では被害の大きかった沿岸地域は水産業の盛んな地域であり、津波の被害をもっとも大きく受けたのが水産業であったとも言えます。今後急がれるのが、漁港の復旧、漁船・漁具の調達、市場の再建、製氷・貯氷施設の再建、加工工場の再建など多岐にわたります。当初は水産庁や中小企業庁、金融庁といったところが個別に支援策を講じていたものを、現地対策本部で整理して一体的な支援が可能になるように改善してきました。折角新しい制度を中央で作っても、現場で使えないようでは意味がありません。新たな支援制度が目詰まりをおこしているところを解消し、不足しているところを補いながら、今後、さらに製造業や観光産業への支援を強化すべく全力で取り組んでまいります。

津川しょうごNews2011年7月5日号

岩手現地対策本部長に就任
~前を向いて進む~

 6月27日夕刻、総理より東日本大震災復興対策本部の岩手現地対策本部長を命ぜられました。
 私はこれまで、政府の緊急災害対策本部の現地連絡対策室副室長を務めてきており、震災の深刻さや課題の多さ・複雑さは、現場で直接見て理解してきましたので、大変重大な任務を命ぜられたと感じていますが、県や自治体と一緒に被災者の皆さんに寄り添い、一日も早い復興を目指して誠心誠意がんばってまいります。

 政府の復興対策本部としては、今月中をめどに復興基本方針をまとめる方針ですが、今回の復興は、国がある程度の指針を定める必要はあるものの、具体的な施策については国からの押し付けではなく、市町村や被災者の皆さんの思いを形にすることを基本としいます。従って、現場のニーズをしっかりととらえ、県や市町村と綿密に連携をとるために政府の現地対策本部が設置されました。

 私の担当は岩手県ですが、同じ県内でも被災状況にはかなりの違いがあり、これからの市町村ごとの復興計画も当然違いますから、相当丁寧に連携を図らなければなりません。既に、宮古、釜石、陸前高田、大船渡、久慈など、各地の現場に足を運び、現場で市長さんなどから現状と復興計画の方針などを伺っていますが、各自治体の方々も、今まさに市民の皆さんの意見を聞く住民説明会などを開催しつつあるところであり、今後も頻繁に現地に足を運んで、現場の声で復興が実現できるよう、国としても全力でバックアップさせていただきたいと考えています。

 復興とは、被災地の自治体や被災者の皆さんが自立して初めて成し得るものであり、自立ができるよう支え、寄り添い、励ますのが国の役割です。漁師さんが海で漁をし、大工さんが家を建て、工場でものづくりが始まり、校庭に子どもたちの笑顔や歓声が溢れて、初めて復興が始まったといえます。

 ただ、被災者の方々の中にも復興に向けて精力的に活動されていらっしゃる方もあれば、まだその段階に立てない方々もいらっしゃいます。ですから、最終的には自立を目指すものの、いままだ苦しい思いに耐えていらっしゃる方々には、是非、頼っていただき、甘えて頂きたいと思っています。

 これまでの支援策とて決して十分であったとは思っていませんが、既に用意されている支援策ですら、現地の被災者の方々には伝わっていないケースが多々見られます。これまでも様々な工夫を重ねてきましたが、今後復興を進めていく過程においても、様々準備されている支援策を丁寧にお伝えするとともに、更なる拡充も進めていきたいと考えています。

 今回の本部長就任は国土交通大臣政務官との兼務であり、十分な仕事ができないのではないかとの質問をマスコミの皆さんから頂きます。確かにそれぞれ重要かつ膨大な職務があり、当面は一週間のうち2~3日は東京で、残りの4~5日は岩手県内で執務することになり、常にいずれかの席は空けざるを得ないことになりますが、私一人で業務を行っているわけではないので、多くの国交省職員、及び現地本部員とともに全力を尽くしたいと考えています。

 また、国交政務官と兼務であることは強みにもなると思っています。復興事業には国交省所管の事業も多く、現地にも地方整備局、地方運輸局、海上保安本部、気象台など国交省の関係する出先機関なども多くあります。私が本部長に就任して最初に現地で本部会議を開催した際に、最初に取り組むことの一つとして申し上げた三陸縦貫自動車道等の事業化についても、国交省内での手続きを開始し、通常2年ほどを要するルート確定作業を8月中にはまとめられるよう作業をスタートすることができました。ルート確定には現地の自治体との協議が重要であり、その調整に時間がかかるのが通常ですが、今回は、ルート確定とまちの復興計画が密接に関係することから、自治体のご協力も頂きながらこれらの作業日数を大幅に短縮することができる見通しとなりました。

 これからも、各自治体の復興計画策定の支援などもさせていただきながら国の復興基本方針の策定を急ぎ、一日でも早く一人でも多くの被災地の方々に復興を実感していただけるうように、一つ一つ結果を積み重ねていきたいと考えています。

 被災地のみならず、日本全国が元気に前を向いて進んでいくことができるよう、私自身、岩手の被災者の皆さんに寄り添いながら、そして被災者支援をしていただいている多くの方々と連携しながら、しっかりと前を向いて進んでまいります。


追記(2011/07/06)
 昨日、松本復興担当大臣が辞任し、新たに平野復興担当副大臣が大臣に昇格しました。復興本部スタート直後にこのような事態となり、多くの被災者の皆様に「復興が遅れるのではないか」とご心配をおかけすることとなってしまいました。ご心配をおかけしてしたことに、復興本部の一員として深くお詫び申し上げます。現地対策本部としては、この件により決して復興が遅れることがないよう、当初の予定通り全力で復興に取り組んでまいります。

津川しょうごNews2011年6月20日号

復興基本法成立。
~日本のあるべき姿を目指す復興へ~

 本日(6月20日)、参議院本会議において「東日本大震災復興基本法案」が審議され、圧倒的賛成多数で可決・成立しました。この法律には、①復興財源を確保するための復興債の発行、②被災地自らの創意工夫による復興を支援する復興特区の設定、③岩手・宮城・福島における復興対策のための国の機関の設置、などが定められており、近日中に任命される復興担当大臣の元で本格復興が動き出す見通しです。

 震災発生以降、人命救助・被災者支援のほかに、道路や堤防など社会資本の機能を回復する「復旧」が急がれてきましたが、これからは従来以上に発展することを目指す「復興」へと徐々に重点が移っていくことになります。政府はこれまで震災関連の法案等を20本国会に提出しており、この基本法の成立で14本目の法案成立となりますが、今後具体的な復興を進めていく上で必要と思われる法改正はまだかなりあり、更に作業を加速し被災者の方々及び被災地を全力で支えていかなければなりません。

 復興財源確保のために復興債を発行するということは、これからの世代の方々にも復興の負担を一部お願いするということです。また復興特区の設定は、阪神淡路大震災の反省から、国や県が復興計画を地域に押し付けてしまうのではなく、被災地の住民の方々の思いをもとにした復興を目指そうとするものです。もちろん、100年に一度、1000年に一度といった災害に対するリスク管理のあり方は、ある程度国が責任を持って示す必要がありますし、それには国を悪者にしてでも従っていただく必要があると私は考えています。しかし、基本的には地域のことは地域で決めるという地域主権の考え方で復興を捉え、次の世代の方々の視点も含め住民本位のまちづくりを進めていくのがこれからのこの国のあるべき姿ではないでしょうか。

 復興という前向きな動きは、被災地でご苦労されている被災者の方々に「今」を乗り越えて頂くためにも絶対必要であり、一刻も早く具体化を進めるべきですが、国からの押し付けにならないよう最大限配慮しつつ、地域発の復興を力強く後押しできるよう、しっかりとした制度設計を行ってまいります。


東北地方の高速道路を一部無料開放。
~被災地復興のため、バス・トラック及び被災者は無料に~

 本日午前0時から、東北地方の高速道路を一部の車両を対象に無料開放しました。期間は当面一年間。区間は東北自動車道の白河I.C.以北、常磐自動車道の水戸南I.C.以北、日本海東北自動車道の新潟中央JCT以北、磐越自動車道の全線(いわきI.C.~新潟中央)など、20路線、約1,500kmです(詳細はNEXCO東日本ホームページなどをご参照ください)。

 目的は、「当面の復旧・復興支援」と「被災者支援」の二つで、「復旧・復興支援」として、当該地域を発着するバスやトラックなどの中型車以上の車両を、「被災者支援」として、自治体が既に発行している被災証明書等をお持ちの被災者の方々が運転または同乗する車両、もしくは福島第一原発周辺の自治体にお住まいであった方々が運転または同乗する車両を対象としています。

 今回の計画を公表させて頂いて以降、被災自治体の中には被災証明書等の発行を求める被災者の方々が増えたという報告も頂いており、結果的に自治体の窓口業務を増加させてしまったことは大変心苦しく思います。必要であれば、窓口業務の支援を検討させて頂きたいと考えています。また、自治体によって被災証明書の発行基準が異なるという点も指摘されています。これまでも基本的に公的な支援を受けて頂くには被災証明書等が必要でしたが、その証明書等の発行基準は自治体の判断に委ねられてきました。つまり、公的支援が必要な甚大な被害を受けた被災者であるか否かは、自治体で判断していただくしかありませんでした。従って、今回、被災者向けに高速道路を無料開放するにあたり、国として新たな基準をつくることは従前の自治体による判断との関係から、かえって現場を混乱させかねないと考えました。

 当初、普通車も含めた全車種を対象とする案や、東北三県のナンバーであればフリーパスにする案など様々なご提案・ご要望を各方面から頂き、国土交通省内でも鋭意検討を重ねてきました。その結果、今すぐに全車を対象に無料開放すると渋滞が発生する恐れがあり、「復旧」も急がれる今のタイミングでの実施にはリスクが大きいことや、東北三県であっても被災状況は地域によって大きく異なり、甚大な被害を受けた方々への緊急措置こそが特に必要性が高いことなどから、今回の実施内容とさせていただきました。

 運用上、当面は料金窓口で被災証明書と運転免許証などの本人確認できるものとを提示頂くなど、お手数をおかけすることになります。システムとしてはETCを活用することも不可能ではありませんが、システム変更に2カ月程度必要とすることから、取り急ぎ今回の仕組みでスタートさせたうえで、順次改良を進めてまいりたいと考えています。また、東北地方の重要な産業の一つでもある観光産業を支援するため、東北三大祭り(仙台七夕祭り、青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり)の時期までには全車無料開放をしてほしいといった要請も頂いており、今後、補正予算等の財源確保も含めて検討を続けてまいります。

 これまで全国で実施していた無料化社会実験や、今年度から予定していた平日上限2,000円制等の実施を見送った中で、東北地方に限り無料開放することとなり、被災者以外の方々にとってはご異論もあろうかとは思いますが、被災地支援のための施策ですので、ご理解を頂きますようよろしくお願いいたします。