津川祥吾ウェブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 津川しょうごNews2012年6月27日号

<<   作成日時 : 2012/06/28 02:55   >>

トラックバック 0 / コメント 0

社会保障と税の一体改革法案
〜衆議院で採決 参議院へ〜


 先日、衆議院本会議において社会保障・税一体改革関連8法案が審議、採決されました。消費税の増税や与野党からの造反が予想されたことなどから、マスコミでも大きく取り上げられましたが、肝心の法案の中身より政局についての報道が多かったように見受けられましたので、報道されなかったものも含め、8法案の中身を簡単に報告いたします。

 紙面の都合上ごく簡単な報告となりますが、法案の本文が衆議院のホームページで閲覧できますので、是非ご覧ください。トップページから「議案」の欄をクリックし、第180回国会の「衆法」と「閣法」の一覧の「議案件名」の中に下記の法案名があります。本文情報をクリックし、さらに「提出時法律案」などをクリックすると全ての条文を見ることが出来ます。法律を見慣れていない方には多少読みにくいところもあると思いますが、折角ですから一読されることをお勧めします。マスコミなどでの解説も参考にはなりますが、この条文以上でも以下でもありませんので、余計な脚色をせずにご覧いただけます。なお、今後参議院での議論が予定されておりますので、現時点(6/27現在)ではまだ成立はしておらず、更なる修正の可能性などもありますのでご承知置きください。(※衆法:衆議院議員提出法案 閣法:内閣提出法案)

 
《社会保障・税一体改革関連8法案》
公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案
(略称:年金機能強化法案)
 少子高齢化や景気変動などで社会が様々に変化しても、年金制度を将来にわたって持続可能なものにしようとするための法案です。現在、年金保険料を支払えない人が増加するなど年金の空洞化が深刻です。その穴を保険料の増額で埋めようとすれば、まじめに負担している人だけに過大な負担が掛かりかねませんし、景気が悪くなるたびに財政基盤が不安定になります。そこでこの法案では、基礎年金部分の国庫負担割合を1/2に引き上げることにより税で年金財政を強化し、安定的で持続可能な年金の実現を目指しています。

 与野党協議により、低所得者への給付の加算が限定的になったことは残念ですが、それでも基礎年金だけでは暮らしていけないという問題解決に向け、一歩でも前進できたことの意義は大きいと思います。またパートなど短時間労働者への適用拡大も、与野党協議により実施時期等が修正されてしまいましたが、これでも一歩前進であり、今後さらに議論を深めることとなっています。

被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
 現在、サラリーマンの方々が加入する被用者年金は、民間と公務員で制度が違い、その格差が問題となっていました。その官民格差を解消のため、共済年金制度を厚生年金に統合するのがこの法案です。

社会保障制度改革推進法案(衆法)
 民主、自民、公明の三党共同で提出された、「社会保障制度改革国民会議」なるものを設置する法案です。そもそも社会保障に関わる政策は与野党で対立するものではなく、国会議員のみによらない幅広い議論をしながら政策を組み立て、国民的議論を経ながら進めるべきものです。ですから、このような会議を設置し広く有識者にも議論に参加頂くことも有意義だと思います。ただ、今回積み残しになった論点を議論する場として設置されるという意味合いもあり、問題の先送りではないかと指摘されているのはこの点です。

子ども・子育て支援法案
 社会保障といえば、年金や介護などお年寄りのための制度と捉えられがちですが、本来は子どもからお年寄りまで、各年齢層全体に対して必要な支援をするものです。これまで限定的だった子どもと現役世代を応援する機能を強化し、世代間格差を解消しようとするのがこの法案で、今回の一体改革の最重要の柱の一つです。全ての子どもに良質な養育環境を保障するため、質の高い教育・保育の一体的な提供や待機児童の解消、家庭での養育支援の充実などを定めようとしたものです。

 与野党協議により詳細はさらに議論することとなりましたが、抜本税制改革により得られる安定財源を子育て支援策に充当することは合意できました。評価しにくいところではありますが、言葉だけではなく財政的にも子どもと子育てを社会全体で応援することが決まったことは意義があると思います。

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案(衆法)
 内閣提出の総合こども園法案を先送りするかわりに、衆法として提出された法案。当初は現行の認定子ども園を抜本的に見直して幼保一体化を促進する方針でしたが、与野党協議により抜本改革は更に議論を深めることとし、当面、現行制度を拡充することとなりました。幼稚園と保育園の機能を併せ持つ幼保連携型認定子ども園を、学校及び児童福祉施設として法的に位置づけ、都市部の待機児童解消と地域における小規模保育などの多様なニーズに対応して財政支援拡充します。

子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 上記2法案の施行に伴い、児童福祉法その他の関係法律の規定の整備等を行う法案です。

社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案
(2法案略称:税制改革関連法案)
 これがいわゆる消費増税法案で、消費税の税率を引き上げて社会保障の安定財源とする法案です。原案では所得税や相続税の最高税率の引き上げも含まれておりましたが、与野党協議により更に検討することとなり結果的に消費増税だけが先行するように見えるようになったことは非常に残念です。ただ、税率引き上げ時までには十分に景気を回復させるという前提条件は残せましたので、仮に景気回復が不十分なら税率引き上げも見送られることになります。低所得者ほど重税感を感じる逆進性に対する対策などについては、今後税率引き上げまでに具体化を検討することとなりました。

 なお、国民に負担を求める以上、その前に政治家や官僚が自ら身を切る改革をすべきとの考えに基づき、衆議院議員の定数削減法案や、公務員給与引き下げ法案などを既に提出しています。また、事業仕分け以降、事業別に、目的や効果、予算や発注状況など、徹底的に情報公開しながら無駄を洗い出すことを続けています。

法案の採決の際の私自身の対応について
 私はこの8法案すべてについて賛成しました。
 これまで、社会保障と税の一体改革については、私自身も考えがあり意見を言ってきました。復興に多くの時間を割いていたため、党の会議などには殆ど出られませんでしたが、例えば、食品やお茶など日用必需品や住宅への適応除外、二重課税の問題、引き上げ時の外税表示の必要性などを指摘。消費増税よりも所得税や相続税の最高税率の引き上げなどで対応すべきと主張してきました。ただ、政府・与党内で多くの議員が時間をかけて議論し、出した結論です。異論はありますが、決まったことには従いました。

 ただし、どうしても自分自身説明できない事が一点あります。それは前回の総選挙の際に、「この4年間は消費税を上げない」と言ったこととの関係です。この法案が成立しても、確かに消費増税は4年後以降になります。しかし、言葉の意味するところは、「4年間消費税をあげる決定をしない」ととるのが自然ですし、仮に「消費税を上げざるを得ないと判断した時には、改めて国民の判断を仰ぐ」という意味だと思います。

 今回、社会保障・税一体改革が待ったなしなのは十分理解します。税収が落ち込む中、年々社会保障費が急激に膨らんでおり、今のままでは財政が持ちこたえられません。また、子ども子育て支援の拡充も必須です。しかし、その安定財源を消費税の税率をあげて確保しなければならないというのであるならば、その点を問うためだけででも、改めて国民の判断を仰いでから実施すべきではなかったかと考えます。

 マニフェストには実現できたものと実現できていないものがありますが、その実現できていないものには2種類あります。一つはそもそもマニフェストが不十分であったもの。もう一つは、状況の変化により実施が困難になったものです。しかし、この消費税の問題はそのいずれにもあたりません。4年待っていられないというのならば、その前に国民の判断を仰ぐことは総理の判断で出来ます。増税のように国民に支持されにくい案件であっても、本当に必要なことであれば、十分に説明すれば必ず国民は理解し支持してくれるというのが、理想かもしれませんが民主主義の基本です。

 恐らく総理は、今、国民に理解・支持されなくても、後々理解され評価されるとの考えかもしれません。しかし政治家が、目の前の国民を信じられずに、国民が政治を信じるか…。この点も議論してきた重要な論点でしたが、結果的に今国会に法案を提出することとなりました。この件に関しては言い訳できないと思っており、心からお詫びいたします。もちろん衆議院解散は総理の専権事項であり私が意見すべきものではありません。しかしその総理を私は選び、支えています。今後いかにして自分自身の責任をとるか、熟考します。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

津川しょうごNews2012年6月27日号 津川祥吾ウェブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる